お肌には常在菌と呼ばれる様々な種類の菌が存在しています。
リパーゼ(脂肪分解酵素)を持つ菌により皮脂は脂肪酸とグリセリンに分解され、さらに多様な菌たちがその代謝物を相互に利用して皮膚の生態系を保っています。その菌種は個人差はありますが、100種以上とも言われています。
●アクネ菌
人間の皮膚に存在する代表的な常在菌で、「皮脂を好み酸素を嫌う」性質を持つため毛穴の奥深くに住んでいます。詰まった毛穴はアクネ菌にとって絶好の繁殖環境なのです。
更に、アクネ菌はグリセリンを栄養源とし増殖することがわかっています。
20代半ばのある時から長い間、どんな化粧品を使っても改善しないアレルギーのような症状、赤い吹き出物などの肌トラブルに悩み続けてきました。
あきらめ切れず手作りコスメを始めた私が、結局行きついたのは精製水とグリセリンのみの化粧水。しかし最も安全と思われたその化粧水で、予想外に私の吹き出物は悪化したのです。
私の場合、肌トラブルの原因はグリセリンでした。
その時初めて「グリセリン=安全」の常識を疑った時から、原因の探求が始まりました。
当時は今と違い、皮膚科で「グリセリンが合わない」と言っても信じてもらえない時代でしたが、調べて行くほどに、アクネ菌の嫌気性菌という特性、グリセリンの浸透、菌と免疫細胞の関係、常在菌のバランスなど色々な関連性が見えてきました。
なぜパラベンフリーはあってグリセリンフリーは無いの?
市販品はどれも吹き出物が悪化してしまう私は、思い切って商品製造に踏み切ったのです。
実際に試作を開始して、なぜ多くの化粧品にグリセリンが入っているのかすぐに理解できました。使用時の保湿感を他の保湿剤で補おうとすると、コストも試作の手間もかかってしまうのです。
商品が完成するまで、お医者様にも、化粧品関係者の方々にも、「変わったことを言う人」という目で見られていた気がします。
「化粧水からグリセリンとBGを抜いたら化粧水にならない。」
と言われた事さえあります。
そんな周りの心配をよそに、出来上がった試作品で私の吹き出物は見違えるほど減って行きました。
全ての方に合う化粧品はありません。
皮膚の厚さやバリア機能によって、効果は大幅に変わります。
最も安全と言われる原料の一つが合わないこともありますよね。
「グリセリンフリー」は「グリセリン=悪いもの」ではなく、悩みを持つ方への一つ選択肢です。
同じように「防腐剤フリー」「合成界面活性剤フリー」など余分なものを削ぎ落として行くことによって、当たり前のように化粧品に配合されている成分が合わない方の化粧品選びをより分かりやすく、選択肢を増やせると考えています。
私がトラブルの原因を特定できず、化粧品選びに苦労した経験を基に、原料選びはキャリーオーバー(全成分に記載義務のない、原料から持ち越した微量成分)にまでこだわりました。
もちろんただ無添加にするだけではなく、優しく肌環境を整えるこだわり抜いた処方をしています。
もしかしたら、私と同じように原因が分からず悩んでいる方を救えるかもしれない。
その想いをTreat Treatで形にしました。
小麦アレルギーの人のために米粉でパンを焼く、出来る限り美味しく。
シンプルな発想だけど、そんなパン職人のような誠実な商品作りをしていきます。
Treat Treat 企画開発担当者
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