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小柄で丸顔。
柔和な笑顔がそこにありました。
サンセール訪問の第一弾は、エリック・ルイのそのまんまエリックさん。
ワインを飲むとその人柄がよく出るのですが、エリック・ルイのサンセールは
よく知られている、細い研ぎ澄まされた細身のサンセールというよりも、
ボディがあってまろやかで、その下に透明感のある果実味が隠されている
他のサンセールにない個性的な味わいです。
玄関に出迎えてくださったエリックさんは、穏やかでちょっと恥ずかしがりや。
たくさん語ることが苦手、そして大きな立派な手をした畑の人でした。
2005年のできばえをお訊ねしましたら、 「すばらしかったです!」
4月と6月、ちょうど雨の欲しい時期に必要な分だけ計ったように降り、
日中は2003年なみの暖かさで、しかも夜は涼しく、とてもクォリティの
高い酸が残せたそうです。
収穫はソーヴィニョン・ブラン種が機械と手摘みの半々。
傾斜のゆるい畑は機械、傾斜のきついスロープの畑は手摘み
と仕分け、畑ですぐ選果されよい房だけが蔵でワインになります。
赤のピノ・ノワール種はブドウの房がとても壊れやすいので、
すべて手摘みで収穫されます。
エリックさんの「キュヴェ・ポーリーン」は96年から
作り始めた秘蔵の名酒でよい年の時だけ作るのだそうです。
仕込みの樽も、アリエ、トロンセ、ヴォージュなどの最高級のものと、
その3種を組み合わせたインターメディオという樽の合計4種。
違う個性の樽を使うことでワインにより複雑性を与える
ために考えられた組み合わせです。
このあたりも、工夫の粋をこらしたエリックさんの仕事の細やかさが伺えます。
サンセールの畑は石灰粘土質なのに対して、プイィ・フュメはシレックス土壌。
見せていただいた畑は驚くほどの大量の火打石(シレックス)で覆われ、
シャトーヌフのごろごろ石が一面を覆うのとはまた違いますが、
なかなか壮観な眺めでした。
こんなに畑の状態が違うのだから、味にもその個性がはっきりと
出て、石灰粘土質は味わいが重く、シレックスはミネラルがしっかり
した風味となるという説明にもうなずけます。
ビオロジックの畑には、昆虫の繁殖を防ぐための忌避剤が
あちこちに吊るされていました。
蔵に戻って試飲をさせていただいた2005年のサンセールの2種、
バレルサンプル(ボトリング前のもの)と、昨日瓶詰めしたてのものと、
いずれも酸味が大変豊かで凝縮し、フルーツとお花の香りが漂い、
しっかり練れた仕上がりになっていました。
まだこれから落ち着かせる必要があるというものの、
エリックさんが満足するだけある大変すばらしいできばえです。
これは本当に次のリリースが待ち遠しいばかりの逸品だと
私も大きな手ごたえを感じました。
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