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ピエール・ガイアール
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突撃蔵訪問、トゥルクの生みの親!? ピエール・ガイヤールの至芸を見た!
ローヌ渓谷からまた一人の名匠が生まれた。
男の名はピエール・ガイヤール。
まだ春浅いというのに、日に焼けて男の顔は真っ黒だ。
3月、休むことなく毎日畑に出かける彼の顔は40度近い
すごい傾斜に植えられたオリーブ同様、強い日差しを浴び続け、
何重にも焼けている。
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手はもちろん節くれだってゴツゴツだ。
「この人は、打ち捨てられた畑に我慢ができないの。
どんな畑も、美しく、整然と磨いてあげなければならないと
思っているのよ。」
奥様のそんな言葉どうり、
ガイヤールさんの畑はまさに塵ひとつ落ちていない、
完璧なまでのサニテイションが施されている。
一糸乱れぬ規律と調和の芸がそこにあり、いいワインとは
まず畑ありき、そんな彼の思いが断崖絶壁状態の目も眩むような
畑の高さからはっきりと読み取れる。
この布陣でこの人のワインがあれほど洗練されているのも
頷ける。 職人であり、自身の仕事を愛する情熱が蔵にも畑にも
満ちあふれている。
今日、稀代の銘酒と呼ばれるトゥルクの畑を整備したのもこの人である。
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セラーで沢山のその真髄である彼の作品をいただいた。
ルーサンヌ、ヴィオニエ、シラーにコート・デュ・ローヌ、
コート・ロティにコンドリュー。
どれを飲んでも、際立つ果実の味わい。
バニラと麝香とトロピカルフルーツが複雑で上品にまとめられた
2001コンドリューの透明感あふれる涼やかさとまろやかさ。
酸の輪郭と筋肉質の酒肉を引き出すのが最も難しい品種、
ヴィオニエから、これほど形の美しい酸と引き締まったボディ感を
出せることに驚愕を覚える。
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コート・ロティは重たいところを廃し、純粋なる果物の鮮やかな
赤色を連想させるエレガントでフレッシュでちょっぴりミーティで
スパイスのニュアンス。
スタイリッシュで優雅なスタイルは、ガイヤールさんのワインを
仕込む設計能力の高さを見せ付ける。
ローヌは手作り職人の宝庫。
ただ日本にまだ紹介されていないだけ。
そんな漠然と信じていたことが、ガイヤールさんのワインによって
はっきりと証明された。
彼のワインは果実味を大切にした、ブルゴーニュのエレガント
をまとったシラーでありヴィオニエなのだから、まさに過去と現在の
英知の結晶といえるだろう。
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ブドウの品質そのものに徹底してこだわりを持っている。
フィルターをかけない。
樽香も薄化粧として施すが、スモーキーなものはしない。
デリケートさを残し、中ぐらいに快く。
すべてがブドウの脇役というわけだ。
収獲したブドウをタンクに移す作業もセラーから外へパイプを
引き込み、ブドウをタンクに詰めていく。
トラックを横付けした時に出る排気ガスを絶つためだ。
いいと思う事は全てやる。よくないことは徹底排除。
BIOには必要性を感じていないが、オーガニック肥料を施肥し、
ケミカルコントロールを厳しくしている。
洗練にも洗練を重ねていく彼の情熱を誰も止める事はできない。
ガイヤールさんはいたって物腰は静か。
なにかを饒舌に語ってもらうのがかなり難しい人だ。
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そんなガイヤールさんが、ワイン作りに並々ならぬ関心を
寄せていつまでも居座りそうな私たちの気配を恐れて、
「食事でもご一緒しませんか?」と突然ご招待をくださった。
山と谷のまさに山紫水明な古城のほとりに、
この村でたった一軒のレストランがある。
そこでゆっくりとご夫妻の馴れ初めなど聞きながら、
ガイヤールさんのコート・ロティーをいただいた。
そこを後にしたのは、ドメーヌを訪れて6時間後、半日を
共にワインとささやかな人生のよもやまを分け合って、
別れ際。
「せっかくお出でいただいて、お分けできるワインがもうなくて、
本当に申し訳ありません。
ただ、万が一どこからか見つかったらご入用ですか?」
精悍なガイヤールさんの顔が申し訳なさそうにうす曇りになった。
「万が一でも必ずお譲りください。」
にこやかに握手と微笑みを交わし、おいとまをした。
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