今クラッハーでは2種類の貴腐を作っています。
果実の味わいを主役にしたピュアな甘口。
樽の風味をつけバニラやトーストの香りのあるクリーミィでゴージャスな甘口。
その通り、蔵で使っているのはイノックス(ステンレス)タンクとオークの新樽
(225リットル)。これはもちろんボルドーの高級オーク樽、セガン・モロー。
醸す時は天然酵母ほぼ100%、稀に糖度が高すぎて発酵しにくい時に
スターターとしてイーストを入れることもあるそうです。
発酵はとてもゆっくりで時間がかかりますが、ほとんど手を貸さず
自然にまかせて、劣化には常に厳しい目を光らせる、それが肝要。
現在クラッハーのボトルにはひとつひとつナンバーが付いています。
というのも、以前にニセクラッハーが出たため、以来予防対策として、
濃縮度に合わせてナンバリングしているのだとか。
ウェルシュリースリングの畑を見学させてもらうと、
大変な砂地でサラサラです。
踏みしめると微粒子でやわらかな砂はしっかりと足跡を残します。
木の根元には垣根のワイヤーに合わせて前後2本の木をくくりつけて
等間隔に植えてあり、2本の木同士を闘わせて木をよくする、
これはまた新しいやり方です。
ウェルシュリースリングは砂利、砂地によく合い、豊かな糖分を
蓄えることができ、酸味が少なくともミネラル感がしっかりと
ワインを引き締めてくれるのだそうです。
灌漑も許可されているオーストリアでは、畝ごとにセンサー付きの
ドリップイリゲーション用のパイプが据えてあります。
まだカリフォルニアなどニューワールドの畑は見たことがないのですが、
きっとこんな感じなのかなぁと思いました。
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