さて、いよいよミネラルたっぷりで、パーカー氏から93点という
高得点をたたき出したあの「ポルフィル」の畑を見に行く事になりました。
2005年がロマコンなみの収穫量で、海抜280m、傾斜30度の
ポルフィルはもうどこまでも車で登っていった山のかなり上部にあります。
その傾斜の厳しいことといったら、下を見下ろすだけで高いところが弱い私は眩暈が。
目を見張ったのが、畑を開墾した当初から積み上げられた「ポルフィル=岩片」。
これがポルフィル
うず高く積み上げられた岩片を見るにつけ、
開墾する大変さもさることながら、その数からして、ブドウにしっかり
ミネラル分やフリンティな味わいを演出する美味しさの元がこれかと大納得。
冬の間は、樹間には菜の花などの決まった種類の野菜を植えることで、
土の流出を防ぎ、バクテリアなどを繁殖させて土壌の成分を豊かにしておくそうです。
戻りは、がたがたの細い山道(道がない)をオフロード車が猛烈な速さで
駆け下りて行き、私の心臓はバクバク。
「ダニエルさん、すっごい跳ねてますけど(車が)大丈夫ですか〜!?」
「ハッハ〜、大丈夫大丈夫、まかして、まかして〜。」
恐がる私を尻目に、車は元気に山を駆け下りて、ステキな彼の本宅に無事到着。
特別なお客様だけをお迎えする本宅
お家も古い古い家具で飾られ、温かで居心地のいい空間に、
彼のご自慢のワインがズラリと15本並べられました。
ひとつひとつが清水のような透明感、果実の深さ、旨みとコク。
リースリング、ヴァイサーブルグンダー、シルバーナー、
どれもこれもエキスの芳醇さをまとい、最高の仕上がりでした。
「僕のワインはどうでしたか?」
「えっと、ですね、ひとつひとつがとっても完成度が高くって、
う〜ん、う〜ん、っと、初めて貴方のワインを飲んだ時から
もう素晴らしくって、感動して、・・・・そのなんというか・・」
面映そうにダニエルの視線が私の口元から出る音を聞いています。
「つまり、私がいいたいのは、とにかくもう、貴方のワインというのは
私にとっては とってもとっても特別だってことです!」
「わぁ、やったー!!」
ダニエルの顔が笑み崩れながら高揚し、またまたはにかんでステキな笑顔です。
小さな子供の心のまま大きくなったこの人の笑顔と美質。
それがワインにすべて注入されている、そんな感動を与えてくれる
ダニエル・ワグナーのワイン。
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