に当たるかと思います。
よいワインの作り手というものは、ブドウ環境の整備に本当に
余念のないもので、四六時中そればっかり考えているといっても
よいくらいです。
あの一時は6万円もした元祖シンデレラワインの造り手、
ヴァランドローのチュヌヴァンさんも、
『 自然の手付かずの状態そのものをテロワールだと思っている人がいるようですが、実際は人の手によって最高のコンデションを生めるように整えてこそ、いいテロワールといえるのです。 』
『 ワインのおいしいまずいを全てテロワールのせいで片付けてしまう評論家もいますが、味わいとは第三者が作り出すものでもあるのです。』
そうそう、まったくその通り。
ブドウは勝手に育ちますが、よいブドウは人間が作るのです。
同じ事をスーパーイスラエルワインを作るカステルの
エリ・ベンザケンさんもヴェリタスへのお手紙の中でおっしゃっています。
『 カステルから良いワインが生まれてくるのは、たった一つの理由ではなく、本当にたくさんの訳があるのです。
(そのひとつとして、畑のサニテイションについて)
いかなる小事も見逃さない、狂信的かつ脅迫観念に近いまでの高水準の衛生管理。
けれどこれを実行するには、行うことのひとつひとつに途方もない愛情を宿すことと、同時に‘ワインが神様からの贈り物’であるという深遠な信念をもっていなければなりません。 』
造り手さん自身の自然の力をよく読む英知と能力、
経験による卓越した技術と努力が合わさって初めて、
最高のテロワールを生み出すことができるということでしょう。
(2)よい造り手 は、
(1)よいテロワール
を作り出すこともできるのですからワインの良し悪しは作り手が
まず畑で何をするかが大きなウエイトを占めています。
ブルゴーニュなどでは畑に特級畑、一級畑、単独所有区画、
などなど、色々な種類の畑がありますが、『テロワールのよさ』
とは単に畑の等級のことだけではない、ということを頭の隅に
置いていただきながら、ワイン選びを楽しんでいただけたらと
思います。
さて、今後は、ベタンヌ氏のような有名な評論家さんに、ビッグヴィンテージから
はずれたワインについて、
「○○年もの、今が旬、飲み頃に入ってとてもよくなりました」
予報なんてしてもらえれば、消費者も埋もれているお宝ワインが
買いやすくなって助かります。
「ベタンヌの今が飲み頃ワイン速報」なんて本を期待したいですね。