ヴェリタス〜輸入直販ワイン専門店


その28


ただ今、ブルゴーニュからコート・ロティ、エルミタージュを経て シャトー・ヌフ・デュ・パプにおります。
3月18日にローヌについて以来、毎日雲ひとつない抜けるような青空、 20日はすでに初夏の装い。

ローヌの河岸には、半そで日光浴を楽しむ人たちの姿が多数。
日本を出た時の春浅い気候が嘘のようでございます。

さて、19日コート・ロティの殆どの蔵総出動の大イベントに いきまして、およそ61蔵のワインを試飲しました。


ギガル、シャプティエ、ポール・ジャヴレの大御所御三家を始め、 ジャメ、キュイロン、ジャスマン、ボンファン、デラ、クリューゼル・ロック などなど
パーカー氏や日本のワイン雑誌などでも高得点を 常に獲得しているキラ星のような61蔵、そのほとんどが 世紀のヴィンテージ2003年ものを用意して 世界のワインバイヤーたちを大歓迎してくれたのでした。

ローヌワイン大好きのレンジャーなら気絶しそうな贅沢な試飲会。 私辻と、社長藤田は、もくもくと61蔵全部試飲制覇しました。 これはもう一日仕事、いいワインを見逃してはならず、 良くないワインはどんなに有名であっても下駄を履かせてはならず、 厳しいジャッジと体力勝負の競技さながらでございました。

2003年コート・ロティの総評は、2年前と同じで、
「61蔵の品質にものすごくバラつきがあった。」

有名無名に拘らず、「コート・ロティ」の有名アペラシオン名に甘んじ、 樽や凝縮ばかりで、果実味を大切にした、緻密でバランスのよい 傑出したものが非常に少なかったことが印象に残りました。

それでもコート・ロティは売れ続けている。 その状況が2年を経て、何も変わらなかったということは、 買い付ける側も宿題を残したままであるということを感じました。

03年のヴィンテージがついているせいで、世界中のバイヤーが コート・ロティを買い漁る見込みがありますので、生産者としては 例年より販売は大変楽な年となります。

しかし、秀逸なものが少なかったということは、私たちバイヤーに とっても危険が伴う買い付けです。 ビッグヴィンテージなので、当然価格はかなり高め、しかし品質は それほどでもない、それなのにうっかり買いすぎてしまう 可能性があるのです。

前回以上に、非常に神経をとがらせて慎重に試飲を致しました。 その中にわれらが、コート・ロティの大会で全蔵を打ち負かし、 金メダルに輝いたあのアンドレ・フランソワもありました。

エントリーNO.24、超はにかみやのフランソワさんはブースの 向こうに静かに座っていました。

「こんにちは!フランソワさん、お元気でしたか! 私たちのオーダーのファックスご覧頂けましたか?」

「こんにちは。 それって(2003年)、蔵出しが秋だから、返事して なかったんだけど、どうする?オーダー通しとく?」

あれあれ、フランソワさん全然セールスする気がいつも通りない。 お客様のためにも、今から予約しとかないと秋にゼロなんて、 そんな悲しいことは避けたいものです。

「もちろん、通しといてください。 ところで2003年試飲できますか?」

「ボトリングしてないから今日はないんだ。ハハ、悪い。」 「エエッ〜、そ、そんなぁ。」

確かにブースの上には2001年と2002年のボトルだけ、 もう仕方がないので、それだけでも試飲させていただきました。

以外なことに、フランソワさんの01と02はとてもしなやかで、 ようやく落ち着きを見せはじめたブルゴーニュさながら、 果実味に透明感と熟成のしっとり感が出ていて、 その自然の風味の健やかさに感動させられました。

作柄としては、こぞってローヌのどこでもが、2002は不作と 云われ、実際そうなってしまった蔵も多かった中、 フランソワさんの01、02年はいつものあの粘りとしなやかさと 美しい酸がしっかりと宿っていたのには驚かされました。

それなら2003年のバレルサンプルでも置いておけばもっと 商売になるものを、(事実他の蔵はほとんどが03オンリーでした。) 落ち着くまでボトリングせずに静かに熟成させておく。
すごいなぁ、でもちっとも気にしてないよなぁ、なんにつけても。

「じゃぁ、フランソワさん、とりあえず02と03お願いしますね。」 「うん、分かった。テイスティング日和になるといいね。」 「ありがとうございます。フランソワさんもいい一日を!」 「じゃ!」

こんなコート・ロティがまだあったんだ、そんな実感を させてくれるわれらがアンドレ・フランソワ、 今年も益々快調です!


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