植物図鑑の中でも草花ではなく木を専門的に扱っているものを樹木図鑑と言います。庭や街、山に生えている樹木を掲載しているので、この木はなんの木だろう?という疑問に答えをくれる図鑑です。
しかし樹木図鑑葉で見分けるものや冬芽で見分けるものといった同定方法の違いや、掲載している樹木の品目数などの違いがあるため、どれを選べばよいか悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は樹木図鑑の選び方を解説するとともに、おすすめの商品をランキング形式でご紹介します。
目次
この記事でおすすめする商品
樹木図鑑の選び方
樹木図鑑を選ぶ際に重要な3つのポイントを見ていきましょう。
初心者用やフィードワーク用など、使用する目的にあわせて「タイプ」を選ぼう
樹木図鑑はコンパクトなものや大型のものなど、いくつかの種類に分類することができます。お子さん用や不フィールドワークに携帯する用など、目的にあったタイプを選びましょう。
身近な樹木の種類を知りたい初心者や子どもには、わかりやすい解説の「子ども用」から始めよう
数ある植物図鑑の中でも特に内容が専門的な樹木図鑑は、大人でも難しいと感じてしまう方が少なくありません。お子さんともなれば一層内容が難しく感じ、理解を深めることができない場合があります。
樹木図鑑に初めて触れる方やお子さんは、子ども用のわかりやすい図鑑から始めるのがおすすめです。子ども用でも身近な樹木を見分ける程度の知識を身に付けることができ、樹木の見分け方などの基本的なことが学べますよ。
植物に興味を持ち始めた子どもには、樹木以外の「プラスアルファの情報」が掲載されているものが◎
お子さんに樹木図鑑を贈るなら、興味を持てる内容の図鑑を選びましょう。樹木図鑑は植物図鑑の中でも難しく漢字も多いため、お子さんが読む用途としてはやや難易度が高め。樹木にそこまで興味がないお子さんの場合は苦手意識を植え付けてしまう可能性もあります。
お子さんの樹木への関心を高めるなら、わかりやすさに加えてプラスアルファの情報が記載されているものがおすすめです。例えば木に集まる昆虫や生き物の情報などが付随して記載されていれば、興味を引きやすくなるでしょう。
フィールドワークに携帯するなら「コンパクトで携帯しやすい」図鑑がベター
登山やハイキングなど、フィールドワークに樹木図鑑を携帯するなら小型で携帯性に優れた図鑑を選びましょう。ハンディ図鑑やポケット図鑑などの名称が付いているものはサイズが小さいので、これらの言葉を目安に選ぶのがおすすめです。
また、その場で樹木の名称を調べやすいように写真が鮮明で特徴がわかりやすいものを選ぶのがポイント。その場でさっと調べて知識を深めることができます。また、公園など身近な樹木を手軽に調べるなら電子書籍タイプの樹木図鑑もおすすめですよ。
造園技能士検定など、知識を深める目的なら「専門書」が最適
庭づくりや造園技能士検定など勉強のために樹木図鑑を購入するなら、専門的な図鑑が適しています。それぞれ目的にあった専門書が展開されているので、参考にしましょう。
検定の場合は出題される樹種だけをまとめたものがおすすめです。一般的な樹木図鑑よりも掲載数は少ないですが、無駄のない勉強ができます。庭づくりの参考にする場合は、図鑑の表紙にガーデニングなどの表記があるものを選びましょう。
ガーデニングの参考にするなら、より身近な樹木をフューチャーした「庭木図鑑」を
庭に植える木を決めるために樹木図鑑を選ぶなら、身近な樹木を集めた図鑑がおすすめです。特に庭木を専門的に掲載しているものは季節に応じた変化も掲載しているため、庭づくりのヒントとして活用できます。
庭木を中心に集めたものは、街で見かける樹木を調べる際にも適しているでしょう。身近な樹木への理解を深めることができるので、初心者の方にもおすすめですよ。
自宅でじっくりと読むなら、情報が見やすい「大型の図鑑」がおすすめ
大型の樹木図鑑は持ち歩きには適していませんが、掲載されている写真が大きいためじっくりと眺めるのに適しています。季節に応じた樹木の変化や、その樹木がどのように人間の生活に関わっているのかなど、内容が充実しているのも大型の図鑑の特徴です。
大型の図鑑は気になる樹木をさっと検索する用途よりも、読み物的に活用するのがおすすめ。写真を眺めているだけでも非常に楽しいので、樹木に興味がある方なら1冊持っていて損はないですよ。
求める情報へ的確にアクセスするために「樹木の見分け方」もチェックしよう
樹木図鑑の同定の仕方は図鑑によっても異なります。実際に使用することを想定して使いやすい図鑑を選んでください。
最も見分けやすく、花が咲いていない時期でも探すことができる「葉で見分ける図鑑」
樹木図鑑でもっとも多いのは葉で見分ける図鑑です。葉で樹木を同定するのはポピュラーな方法で、花や実がない季節でも見分けやすいのが利点です。
葉っぱは似たような形状の樹木もあるので間違いやすいですが、多くの図鑑は似た形状の葉をまとめて掲載することで同定しやすくしています。花や実で同定するものより幅広い季節に対応してくれますよ。
秋から冬にかけて探しやすく、冬場のフィールドワークにも最適な「冬芽で見分ける図鑑」
秋から冬にかけてのフィールドワークなら、冬芽で見分ける図鑑がおすすめです。秋から冬にかけては葉が落ちている樹木が多いため、葉っぱで同定する図鑑では見分けることができない可能性があります。
冬芽で見分ける図鑑はシーズンが限られますが、秋から冬にかけてフィールドワークを行う方であれば1冊持っていて損はない図鑑ですよ。
葉・花・実など複数の情報から同定するなら「複合的に見分けられる図鑑」
前述の葉や冬芽で見分ける図鑑は、使用する季節が限られるのが難点。通年フィールドワークを行う場合は同定方法の違う図鑑を購入する必要があります。そこでおすすめなのが、花・葉・樹皮など複合的に同定する図鑑です。
複合的に見分ける図鑑であれば季節に関わらず使用できます。また葉だけで同定する場合は似た形状のものと間違えることありますが、複合的に判断する場合は間違える可能性を減らすことができるので、初心者の方にもおすすめです。
携帯性や網羅性など、優先するポイントにあわせて「掲載品目数」を決めよう
記載されている樹種は図鑑によって異なります。網羅性や携帯性など、優先するポイントにあわせて決めましょう。
初心者用や携帯する小型の図鑑なら「300~400種」を目安に
フィールドワークに携帯する図鑑は300~400種類の掲載数を目安に選ぶのがおすすめです。初めて図鑑を購入する方にとっては掲載数が多い方が良いと考えがちですが、持ち歩き用であれば代表的な樹種が掲載されていれば不足を感じません。
掲載種が多いほど情報量は増えますが、その分ページが増えるので持ち歩きにくくなります。300~400種はカバンに入れて携帯しやすいのでフィールドワーク用として最適ですよ。
さまざまな樹木・草花の知識を増やしたいなら、掲載情報が豊富な「500種以上」
樹木に対してある程度の知識がある方で、さらに知識を深めるなら500種類以上の樹種が掲載されている樹木図鑑を選ぶのがおすすめです。情報量が多く幅広い樹木を掲載しているので、現在持っている知識をさらに深めるのに役立ちます。
山林で見る樹木の同定をしたいという方にも適しています。しかし掲載している品種が多いほど価格も高くなるので、予算を考えながら選んでくださいね。
樹木図鑑のおすすめ人気ランキング10選
ここからは選び方を踏まえた上でおすすめの樹木図鑑をランキング形式でご紹介します。
1位 山と渓谷社 山溪ハンディ図鑑14 樹木の葉
発行年月日:2019/12/16
ページ数:824ページ
本のサイズ:B6
実際の葉をスキャンした画像を掲載
「山溪ハンディ図鑑14 樹木の葉」は日本最大級の葉っぱ図鑑です。200種類近い種を掲載し、花・果実・葉の写真から樹木の同定が行えます。
最新の分類体系に対応しているのもおすすめのポイント。野生種から植栽種まで日本全国で見られるあらゆる樹種を網羅しています。実際の葉をスキャンした鮮明な画像を掲載しているので、非常に見分けやすい図鑑です。
2位 講談社 葉っぱでわかる造園樹木図鑑
発行年月日:2017/3/18
ページ数:224ページ
本のサイズ:15 x 1.1 x 21 cm
造園技能検定の勉強にもおすすめ
「葉っぱでわかる造園樹木図鑑」は国家資格である造園技能検定の勉強用に適した図鑑です。植物の名称を判定する要素試験に出題される170種類を基本に、街や公園などで見かける205種類を掲載しています。
木の特徴を捉えた写真と基本データコンパクトに掲載しているのも特徴のひとつ。詳細に掲載されていますがまとまっているので、必要な情報にすぐアクセスできます。知識を増やしたい方におすすめの1冊です。
3位 NHK出版 樹木図鑑 (NHK趣味の園芸)
発行年月日:2001/2/16
ページ数:518ページ
本のサイズ:B5
写真の充実度合いで選びたい方に
園芸種と野生種を合計324種類掲載している樹木図鑑が「樹木図鑑 (NHK趣味の園芸)」です。鮮明な写真がたくさん掲載されているのが特徴で、ただ眺めているだけでも楽しめる1冊。
掲載されている樹木は、葉・花の基本銃砲だけでなく四季の姿や生育の状況まで記載されています。また、栽培時のポイントも記されているので庭づくりの参考にしたいという方にも適していますよ。
4位 ナツメ社 葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑
発行年月日:2014/3/13
ページ数:352ページ
本のサイズ:11.6 x 2 x 18.2 cm
フィールドワークに便利なハンディ版
気軽に携帯できるハンディ版ながら、375種類の代表的な樹木を網羅している樹木図鑑です。葉の形や生え方などシンプルな項目と、質感がリアルな葉っぱのスキャン画像も掲載しており、樹木の検索も楽に行えます。
名前の由来やつながっている生き物など、プラスアルファの情報も豊富に掲載。美しく洗練されたデザインの中に、鳥や動物、魚などの情報もたくさん記されています。野外観察が楽しくなる観察ノート付きなので、フィールドワークにもおすすめです。
5位 新星出版社 散歩の樹木図鑑
発行年月日:2013/2/22
ページ数:258ページ
本のサイズ:B6
初心者でも探しやすい樹木図鑑
「散歩の樹木図鑑」は複合的な同定方法を記載した樹木図鑑です。花や樹皮といった複数の要素から見分けることができるので、季節を問わず活用できます。
写真が色別で掲載されているのも特徴のひとつ。樹木に詳しくない方でも簡単に検索できるように工夫されています。写真が多めで見やすいため、散歩に携帯してさっと調べる用途におすすめですよ。
6位 主婦の友社 おもしろ樹木図鑑 びっくり! ヘンテコ! 不思議!
発行年月日:2021/3/10
ページ数:256ページ
本のサイズ:14.8 x 1.2 x 21 cm
お子さんの興味を引きやすい楽しい1冊
お子さんが興味を持てる樹木図鑑を求める方におすすめなのが「おもしろ樹木図鑑 びっくり! ヘンテコ! 不思議!」です。身近な樹木のおもしろネタやイラストをたっぷり掲載し、お子さんの興味を引く図鑑に仕上げています。
掲載している樹木の種類は約450種類。美しい写真と楽しいイラスト、親しみやすく読みやすい文章で詳しく紹介しています。漢字にはすべてルビ(読み仮名)が記されているので、小さなお子さんでも読みやすい図鑑です。
7位 成美堂出版 樹皮・葉でわかる樹木図鑑
発行年月日:2011/6/2
ページ数:303ページ
本のサイズ:21 x 1.8 x 25.8 cm
樹皮でも調べられるから季節問わず使える
季節問わず使える樹木図鑑を探している方におすすめなのが「樹皮・葉でわかる樹木図鑑」です。その名の通り葉っぱと樹皮で同定するタイプの図鑑で、探している樹木が見つかりやすいだけでなく季節問わず使用できます。
掲載している樹木は野山や身近に見られる種を中心に255種類。幼木・成木・老木の樹皮の状態を記載しており、どのような状態の木でも見つけることができます。
8位 山と渓谷社 くらべてわかる木の葉っぱ
発行年月日:2017/3/3
ページ数:160ページ
本のサイズ:B5
葉の形で同定するならこの1冊
「くらべてわかる木の葉っぱ」は葉っぱに着目し、深く掘り下げた樹木図鑑です。樹木も葉っぱを比べて見分ける図鑑で、絵合わせもしやすくなっています。
樹木には科という分類がありますが、初心者の方には科での分類はわかりにくいですよね。この図鑑は「三角系の葉っぱ」や「丸い葉っぱ」など直感的に探せるようになっており、樹木に詳しくない方でも使いやすくなっています。
9位 大和書房 子どもに教えてあげられる身近な樹木図鑑
発行年月日:2020/6/10
ページ数:256ページ
本のサイズ:14.8 x 10.5 x 2 cm
雑学がたっぷり掲載されていて楽しい
「子どもに教えてあげられる身近な樹木図鑑」は200種類以上の樹木を掲載した1冊。基本的な情報をしっかりと記載した上で使える雑学をたっぷりと記載しており、楽しんで読める図鑑になっています。
普段よく見かける樹木の名前だけでなく、季節の変化を学ぶことが可能。木を見かけるのが楽しくなり、普段の散歩が充実するような素敵な樹木図鑑です。
10位 創元社 種類・特徴から材質・用途までわかる樹木と木材の図鑑
発行年月日:2016/3/9
ページ数:224ページ
本のサイズ:18.4 x 1.8 x 25.8 cm
木の特徴や用途がわかる
「種類・特徴から材質・用途までわかる樹木と木材の図鑑」は日本の有用種101種類を見開きごとにわかりやすく掲載した樹木図鑑です。葉や樹皮など立ち木の状態はもちろん、色や木目がわかる平板の木材見本まで幅広く掲載されています。
該当する木材を使用した家具や建築物などを掲載しているのも特徴。普段目にする木材がどのような木から作られているのを知ることができる1冊です。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
---|---|---|---|
山と渓谷社 山溪ハンディ図鑑14 樹…… 1 | 2,750円 | 4.5 | |
講談社 葉っぱでわかる造園樹木図鑑 2 | 1,633円 | 4.33 | |
NHK出版 樹木図鑑 (NHK趣味の園芸) 3 | 6,600円 | 4.5 | |
ナツメ社 葉っぱで見わけ五感で楽…… 4 | 1,518円 | 4.39 | |
新星出版社 散歩の樹木図鑑 5 | 660円 | 3.25 | |
主婦の友社 おもしろ樹木図鑑 びっ…… 6 | 2,178円 | 4.5 | |
成美堂出版 樹皮・葉でわかる樹木…… 7 | 1,760円 | 4.33 | |
山と渓谷社 くらべてわかる木の葉…… 8 | 2,035円 | 4.3 | |
大和書房 子どもに教えてあげられ…… 9 | 880円 | 3.97 | |
創元社 種類・特徴から材質・用途…… 10 | 3,520円 | 4.27 |
まとめ
樹木図鑑を選ぶ際は目的にあったタイプから選ぶのがおすすめです。お子さんや初心者の方は子ども用、造園技能士検定の勉強用なら専門書を選ぶのがおすすめ。また、フィールドワークに携帯するなら持ち運びしやすい小型の図鑑を選びましょう。
目にする樹木の名称や詳細を知るためには、同定方法も大切なポイント。葉や冬芽で見分ける方法は季節が限定されるので、季節問わず使える複合的に見分けられる図鑑がおすすめです。木は身近な存在。知識を深めることで、普段見かける木も新しい視点で見ることができますよ。