この記事ではエンジンポンプの選び方とおすすめの商品をご紹介します。エンジンポンプは、エンジンで動作するポンプで、吸入口・吐出口にホースを接続して使います。
小型軽量のものや、高圧で水を吐出させることができる高圧ポンプなど、使い方、用途に合わせさまざまな特徴を持った製品があります。
メーカーは、工進やホンダの他、寺田ポンプやツルミポンプのような専業メーカーもあり、多様な製品が販売されています。用途に合った製品を選ぶことが重要なため、この記事を参考に選んでみてください。
目次この記事でおすすめする商品
エンジンポンプとは
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エンジンポンプはエンジンで動作するポンプですが、ポンプには電気で動くモーターポンプもあります。エンジンポンプは電源が確保できない場所でも使用できて、モーターポンプよりもパワフルです。
燃料を管理する手間がかかるなどマイナス面もありますが、農業用の灌水(水をそそぎ入れること)のような、大量の水を汲み上げる際には欠かせないアイテムです。
エンジンポンプの選び方
エンジンポンプを選ぶ前に、高低差のある場所で使用する場合は必要な吐出量と揚程を知ることが大切です。全揚程の計算の仕方は後述で説明していますので、そちらを参考に全揚程を出し、その数字以上の性能があるエンジンポンプを選んでください。
基本性能で選ぶ
まずはエンジンポンプの基本性能をチェックしましょう。全揚程、最大吐出量の数字が参考になります。
水を汲み上げる高さを示す全揚程
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全揚程とは、ポンプが水源から水を汲み上げることができる高さを表します。ポンプが水を吸込む水面から吐出す水面までの鉛直距離を実揚程といい、両水面に加わる圧力、および管路途中の各種抵抗によるエネルギー損失を考慮して実揚程に加算したものを全揚程といいます。
全揚程の計算方法ですが、例えば、吸水する水面からポンプまでの距離が2m、ポンプから垂直に5m、水平に30mの位置に水を撒きたい場合は、【2m(吸水)+5m(送水垂直)+3m(送水水平)(30m/10)=10m(必要揚程)】となり、全揚程10m以上の性能のポンプが必要、ということになります。ただし、揚程は吐出量と密接に関係するため、揚程の数字だけでポンプを選ぶことはできません。
汲み上げる水の量を示す最大吐出量
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次に最大吐出量の数字をチェックします。こちらは吸い込んだ水を送り出す時の最大水量で、メーカー、製品によっては立方メートルで表示されていることも。吐出量は揚程に左右され、吐出量を増やせば揚程は下がり、揚程を上げれば吐出量が減る関係にあります。
そこで、実際に何mの高さで何リットルの水を汲めるのか、性能曲線という図で確認することが可能です。ポンプごとに性能曲線が異なりますので、確認してから購入しましょう。
エンジン形式で選ぶ
エンジンポンプにはディーゼルエンジンタイプも一部に存在しますが、一般的にはガソリンエンジンです。ガソリンエンジンには、2サイクルエンジンと4サイクルエンジンの2種類が存在します。
2サイクルエンジン
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2サイクルエンジン(2ストロークエンジンとも)は、2行程でピストンを1往復させるエンジンのことをいいます。4サイクルエンジンよりも軽く小さく作ることができ、部品点数が少ないためコストも安くなります。
欠点としては、排出ガス中に有害物質が含まれ環境に優しくないこと、排気音が大きいこと、ガソリンとオイルを混ぜた混合燃料を使うので、燃料の混合が手間であることがあります。なお、燃料は混合済みのものも販売されています。
エンジンポンプの現在の主流は4サイクルエンジンのものですが、小型で軽量な製品には2サイクルエンジンが使われています。
4サイクルエンジン
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4ストロークエンジンともいいます。4行程で1度ピストンを動かします。2サイクルエンジンよりも重くなるのは欠点ですが、かなり軽量に作られたものもあります。
排気音が小さいので住宅地の近くでも使いやすいこと、ガソリンをそのまま入れられるので手間が少ないことなどのメリットがあります。
2サイクルエンジンよりもエンジンがかかりやすく、使いやすいこともメリットの一つです。
用途で選ぶ
エンジンポンプを使用する目的はさまざまです。それぞれの用途によって、適しているエンジンポンプは異なるため、機能や性能を重視し、目的にあったエンジンポンプを見つけてください。
農業などの灌水用
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水田に水を入れるといった大量の水を汲み上げる必要がある作業には、吐出量が大きなタイプがおすすめです。水の勢いはあまり必要ないので、吐出口の口径が大きなタイプの方が、吐出量が多く適しています。
高低差のある土地で使うなどの事情がなければ、全揚程の数字は重視しなくても大丈夫です。
スプリンクラーなどの散水用
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スプリンクラーなどを使う場合は、水の勢い(水圧)を高くできるポンプが必要になります。全揚程が40mを超えるような、高圧ポンプと呼ばれるタイプの製品がおすすめです。
庭の水撒きや池の給排水などの家庭用
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家庭で使うポンプは扱いやすさが一番大事です。できるだけ小型で軽量のものを選ぶとよいでしょう。
2サイクルエンジンの製品が候補になりますが、騒音が気になる場合は、4サイクルエンジンにも軽量ポンプと呼ばれる軽い製品もあります。
海水・土砂混じりの水も汲み上げ可能な特殊な製品
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エンジンポンプの中には、海水を汲み上げることができる製品や、多少の固形物が含まれた水も汲み上げ、排出することができる設計がされた特殊な製品もあります。
いけすの海水の入れ替えや、土砂が混ざりやすい工事現場、公園の池の水の入れ替えなど、特殊な環境で重宝されています。
エンジンポンプのおすすめ人気ランキング10選
ここからは具体的なおすすめ商品をご紹介します。人気の商品をピックアップしていますので、前述で説明した選び方を参考に選んでみてください。
1位 工進 2サイクルエンジン ハイデルスポンプ25mm KM-25S
全揚程:35m
最大吐出量:115 L/min
重量5kgの軽量な2サイクルエンジンポンプ
軽量で持ち運びに便利なポンプです。2サイクルエンジンは始動が難しい場合がありますが、この製品は従来品の2分の1の力で始動できます。リコイルスターターグリップを引く力があまり必要なく、高齢の方や女性にも扱いやすいポンプです。
2位 丸山製作所 エンジンポンプ BP2520A
全揚程:38m
最大吐出量:120 L/min
低価格で高性能なコスパ優良な商品
この製品はDIYルート向けに開発された丸山製作所のBIG-Mというブランドの製品の一つです。販売ルートがDIY向けというだけあって、低価格なのが魅力です。低価格の製品ではありますが、全揚程、最大吐出量ともに他の製品に引けは取りません。
ただし、2サイクルエンジンで騒音は大きいのが難点です。使用場所には注意してください。
3位 工進 超軽量4サイクルエンジン ハイデルスポンプ(25mm)SEV-25F
全揚程:35m
最大吐出量:130 L/min
ランキング上位の売れ筋商品
各サイトの売れ筋ランキングでも上位にランキングされている人気商品です。2サイクルエンジンの騒音や排気ガスが気になる人におすすめの4サイクルエンジンタイプ。2サイクルエンジンタイプよりも重くなりますが、本体重量は7.4kgで、持ち運べない重さではありません。
新形状のH型ベース採用で、ベースのパイプが長いため足をかけてリコイルスターターを引きやすいため、エンジンがかけやすいです。
4位 ホンダ 軽量ポンプ WX10T
全揚程:37m
最大吐出量:120 L/min
軽量の4ストロークエンジンタイプ
本体重量は6.1kgで4サイクルエンジンとしてはかなり軽いエンジンポンプです。吐出口の向きが変えられたり、ボルトの数が少なくメンテナンスに便利だったりと、細かな配慮もうれしい製品です。
また、口コミではエンジンのかかりが良く、買い替えて楽になったという声もあります。
5位 ホンダ 汎用ポンプ WL20XH
全揚程:32m
最大吐出量:670 L/min
幅広い用途に使える汎用性の高い製品
ここまでにご紹介した2サイクルエンジンタイプや軽量ポンプと比べて、全揚程も最大吐出量もかなり大きい製品です。さまざまな用途に使える汎用性の高さが魅力です。
機能が本格的な分、本体重量は重くなり20kgを超えます。備え付けての使用が前提になるでしょう。燃料タンクの容量も3.1Lに増え、約2.1時間の連続運転が可能です。
6位 工進 ハイデルスエンジンポンプ 工進エンジン搭載 SEV-80X
全揚程:27m
最大吐出量:1050 L/min
吐出口径80mmで、大量の水を汲み上げる!
全揚程はそれほど大きな数字ではありませんが、最大吐出量が大きなポンプです。大量の水を汲み上げることができるので、田畑の灌水など多くの水が必要な作業に力を発揮します。
ホースの着脱がレバーの開閉で簡単に行えるワンタッチカップリングが付属するので、ホースの着脱が楽なのも便利です。
7位 ホンダ 高圧ポンプ WH20XT
全揚程:45m
最大吐出量:450 L/min
高所への揚水、長距離の送水に適した高圧ポンプ
高い場所、遠い場所まで水を運べる、高い水圧で水を送り出すことができる高圧ポンプです。今回ご紹介している中で、全揚程の数値が最大の製品です。
高い水圧が必要とされるスプリンクラーを使った散水などにも適しています。価格は汎用ポンプよりも多少高めになりますが、用途によっては欠かせない製品です。
8位 ツルミポンプ 排水用エンジンポンプLA型 LA2-100R
全揚程:26.5m
最大吐出量:1250 L/min
多少の固形物は同時に排出可能なポンプ
一般的なポンプは、濁りのないキレイな水を送水することを想定してますが、ポンプ内部を異物が通過できるように設計された製品もあります。
この製品は、異物通過径が7mmで、多少の固形物が混じった状態の水でも排出することができます。工事現場などの水に、土・泥などが混ざる環境での排水に使用できる製品です。
9位 寺田ポンプ製作所 中型エンジンポンプETS型 ETS-80X
全揚程:20m
最大吐出量:1200 L/min
大き目の固形物が混ざった水も吸い込める土木用ポンプ
こちらの製品は、上でご紹介した製品よりも更に大きな異物を通過させることができるポンプです。通過粒子最大径は35mmにもなります。
汚水も扱えるポンプということで、普通のポンプ以上にメンテナンスが欠かせませんが、掃除蓋がワンタッチで取り外せる構造で、保守点検作業が行いやすくなっています。
10位 工進 高性能樹脂性エンジンポンプ PGH-50
全揚程:26m
最大吐出量:560 L/min
海水の汲み上げにも使える樹脂性ポンプ
一般的なポンプは海水の汲み上げを行うと錆びてしまうため使えませんが、この製品は海水にも対応できるようポンプ部分に耐久性抜群の特殊樹脂で作られているため錆びません。また、すべてのボルト、ワッシャーにステンレスを使用。ただし、エンジン部分は防錆ではないので、この点には注意が必要です。
漁業などで使うための海水用ポンプもありますが、かなり高価なものが多いので、この価格帯で海水が扱えるポンプは希少です。
工進 2サイクルエンジン ハイデル…… 22,600円 丸山製作所 エンジンポンプ BP2520A 17,800円 工進 超軽量4サイクルエンジン ハ…… 23,139円 ホンダ 軽量ポンプ WX10T 30,374円 ホンダ 汎用ポンプ WL20XH 33,219円 工進 ハイデルスエンジンポンプ S…… 38,914円 ホンダ 高圧ポンプ WH20XT 80,323円 ツルミポンプ 排水用エンジンポン…… 225,245円 寺田ポンプ製作所 中型エンジンポ…… 195,295円 工進 高性能樹脂性エンジンポンプ …… 71,280円おすすめの商品一覧
製品 最安値 評価 リンク 4.25 3.4 4.36 4 4.28 3.82 3
まとめ
エンジンポンプの選び方とおすすめの商品をご紹介しました。手軽に使えるものから特殊な用途のものまで、さまざまなタイプの製品があることがお分かりいただけたのではないかと思います。
また、全揚程というポンプの水を運べる限界値を知ることが必要です。使用目的にあったポンプでないと、作業に時間がかかってしまうこともありますので、ご自身の目的にあった性能を持つエンジンポンプを選んでくださいね。