心豊かなお正月のひととき
おせち料理の由来と意味
おせち料理の由来と意味

一年のはじまりを、心おだやかに迎えるお正月。その食卓に欠かせないのが「おせち料理」です。おせちは、単なるごちそうではありません。それぞれの料理に意味が込められた、“願いを込める料理”。
黒豆は「まめに働けますように」、数の子には「子孫繁栄」など、日本ならではの美しい風習が息づいています。目に映る彩りや盛り付け、口に運ぶ一品一品にも、誰かを想う優しさが詰まっているのです。
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現代の暮らしは、忙しさと便利さが日常の一部になっています。そんななかで、お正月の数日間だけはあえて手を止めてゆっくりと過ごしたいもの。おせちには、そうした“立ち止まるきっかけ”があります。
家族と笑い合いながらお箸をのばす時間、ゆったりと日本酒を楽しみながら味わう時間。そのすべてが、慌ただしい日常から少しだけ離れ「丁寧に暮らす」ことの豊かさを思い出させてくれます。
変わるおせち、広がる楽しみ方


最近では「手づくり」にこだわらず、プロの味を楽しむ「買うおせち」が主流になりつつあります。百貨店や有名料亭、人気レストランの監修などバリエーションは年々増え、味や見た目の美しさはもちろん、保存性や食べやすさにも工夫が施されています。
自分でつくることにとらわれず、選ぶ楽しさや味わう幸せを大切にできるのが現代のおせちの魅力。ライフスタイルに合わせて、自分らしくお正月を迎える。そんな選択ができる今だからこそ、おせちはより自由に、心地よく楽しめるものへと進化しています。新しい年のはじまりに、静かに灯る希望や感謝の気持ちをおせちとともに味わってみませんか?
おせちの歴史と文化


私たちが毎年のお正月に楽しむ「おせち料理」。華やかで見た目にも美しく、年のはじまりにふさわしいごちそうですが、じつはその背景には古くから伝わる意味や由来があるのをご存じでしょうか。
おせちをただ「豪華なおいしい料理」として味わうだけでなく、その成り立ちや意味にふれてみると、選ぶ楽しさやいただくときの気持ちもより深まりますよ。
弥生時代にさかのぼる、おせちのはじまり
おせち料理のルーツは、なんと弥生時代までさかのぼると言われています。稲作が中国から伝わり、収穫に感謝する祭りが行われるようになった時代。当時の人々は、季節の節目「節(せち)」ごとに神さまへ感謝の気持ちを捧げ、「節供(せちく)」というかたちで特別な食事をお供えしていたそうです。
この「節供」が、おせち料理の原型。季節の移ろいとともに自然の恵みに感謝する心が、今に続くおせちの礎になっています。
平安時代には、宮中行事に
時代が進み、平安時代になると「御節供(おせちく)」という行事が宮中で行われるようになりました。とくに「五節供」と呼ばれる5つの節日には、神さまへのお供えとして特別な料理が用意されていたのだとか。
なかでも正月は、年神さまを迎える大切な日。そのため、お正月の「おせち料理」が次第に盛大なものとなっていき、「おせち」という言葉が“正月を祝う料理”として定着していったと考えられています。この頃からおせちはただの食事ではなく、“願いや祈りを込めたハレの日のごちそう”として位置づけられていたのですね。
江戸時代には、庶民の間にも
江戸時代になると、幕府が「五節句」を祝日に制定したことで「御節供」の文化が庶民の間にも広がっていきます。お正月には家庭ごとにおせちを作って新年を祝う風習が生まれ、家族みんなで囲む行事として定着していきました。
この頃のおせちは、豪華な献立というより身近な材料で工夫しながら作られていたようです。それでも一年の始まりに「家族がそろって食卓を囲む」ということは、何よりの祝いだったのでしょう。ちなみに当時は、おせち料理をお膳に並べるスタイルが一般的でした。
「おせち」と呼ばれるようになったのは戦後から
現在のように「おせち」という言葉が一般的になったのは、意外にも戦後のこと。それまでは「食積(くいつみ)」や「蓬莱」などと呼ばれていたお正月の料理ですが、戦後、百貨店などで重箱入りの料理が「おせち」として販売されるようになったことがきっかけで、全国的に「おせち料理」という名称が広まっていったと言われています。
同時に、家庭で手作りするおせちから購入して楽しむスタイルへと少しずつ変化していきました。共働きや核家族の増加などライフスタイルが多様化するなかで、選び方も食べ方も自由になってきています。
新年におせちを囲むということ
こうして時代とともに形を変えながらも、脈々と受け継がれてきたおせち料理。 一つひとつの料理には、無病息災や家族円満、商売繁盛といった願いが込められており、重箱を開けるたびにその想いに触れられるような感覚があります。
あらためてその由来や歴史に目を向けてみると、おせちは単なる“お正月の料理”ではなく、季節を大切にし、感謝の心を伝えるための奥深い文化だと気づかされます。
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おせちをお重に詰める理由
お正月といえば、やはり「おせち料理」。色とりどりの料理が美しく詰められた重箱は見た目にも華やかで、新しい年の幕開けにふさわしい特別感がありますね。そんなおせちを「お重」に詰めるようになったのは、実は明治時代以降のこと。そこには見た目の美しさだけでなく、縁起の良さや先人の知恵がたくさん詰まっているのです。
おせちをお重に詰めるようになったのは明治以降
おせち料理を重箱に詰める習慣は、江戸時代の終わりから明治時代にかけて、少しずつ広まっていきました。それ以前も重箱は存在していましたが、主に酒宴や特別な行事の際に使われることが多く、おせち料理と結びつくのはもう少し後のことになります。
ではなぜ、おせちを重箱に詰めるようになったのでしょうか。理由のひとつは「箱を重ねる」ことに、「福を重ねる」という願いを込めたこと。年の初めにふさわしい、縁起のよい食べ方として根づいていったのです。
また、重箱に使われる漆(うるし)には殺菌作用があり、食材の保存に適していることも大きな理由のひとつ。お正月には、台所の神様を休ませる意味も込めて、なるべく火を使わずに過ごす習わしがあります。そのため保存のきく料理を、持ち運びやすく、見栄え良く詰められる重箱が重宝されたのです。来客のおもてなしにもぴったりなこのスタイルがやがて定着していきました。
お重に詰める意味とは?
おせち料理といえば「お重」。この重箱には、古くから縁起のよい意味がたくさん込められています。たとえば、お重を「積む(つむ)」という行為は、「詰まれる」「勝ち取る」「宝を積む」といった前向きな意味につながります。料理を詰めたお重は、一年の幸せが詰まった“宝箱”のような存在。新しい年も良い年になるように…そんな願いを込めていただくのが、おせち料理の本来の意味なのです。
また、お重を「重ねる」ことにも意味があります。いくつかの層に料理を重ねていくことで、「福が重なる」「喜びが重なる」といった縁起の良さが生まれると考えられています。さらに、“層(そう)”という言葉からは、空に幾重にも広がる「層雲(そううん)」を連想する方もいるかもしれません。この層雲は晴れた空に広がる雲の一種で、古くは邪気を祓うものとされていました。こうした意味からも、重箱には厄払いの力が宿っていると考えられてきたのです。
重箱の段数と詰め方
伝統的なおせち料理では、五段重の重箱に料理を詰めるのが基本とされています。ただし最近では、核家族化やライフスタイルの変化により三段重を使う家庭も増えています。
五段重の場合「一の重」「二の重」「三の重」「与(よ)の重」「五の重」と呼び、四段目には「四(し)」が「死」を連想させるため、「与」という漢字を用いるのが習わしです。地域によっては五段目を空にしておき、年神様から授かった福を受け取る“控えの重”として扱うこともあります。
重箱の中身にもルールがあります。一の重には「祝い肴」や「口取り」、二の重には「焼き物」などの主菜を。三の重には「酢の物」、与の重には「煮物」を詰めるのが基本とされています。こうして丁寧に重ねられたお重には、家族の幸せを願う心、おもてなしの心、そして新年の福を呼び込む祈りが込められているのです。
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