フリーエディター／ライター
藤原 綾さん
フリーエディター／ライター。
出版社での女性誌編集部を経て、2007年にフリーの編集者として独立。
以後、『sweet』や『SPRiNG』などの女性誌、コレクションブランドからストリートブランドのムック本やカタログのビジュアル制作を手掛けるなど幅広いジャンルで活動中。手掛けた作品は数百冊に及ぶ。
ファッションアイテムとしてマスクがどんどん進化中
みなさーん、グラミー賞の授賞式は見ましたか？ 個人的に、ファッションチェックはアカデミー賞よりグラミー賞のほうが断然楽しいです。ドレスアップすること以上に、ファッション自体を楽しんでいる人が多い気がします。
今年はコロナウイルスの影響もあって、開催は2か月遅れの3月14日。この状況下とあって、ドレスやスーツと合わせたマスクのコーディネートも注目を集めました。
とくに話題となったのは、2年連続最優秀レコード賞をつかんだビリー・アイリッシュと、3度目の最優秀アルバム賞に輝いたテイラー・スウィフト。
ビリー・アイリッシュは昨年同様、全身をGUCCIでコーディネート。服、ハット、マスク、グローブ、ネイルとすべて同じ柄でそろえつつ、足元だけ白のダッドスニーカーを合わせて。スパンコールの刺繍がほどこされた花柄のセットアップは、ビリーお得意のオーバーサイズ。うーん、さすがイマのファッションアイコン！ ひと際スタイリッシュな仕上がりでした。
bild:mhobl, flickr.com, CC BY-ND 2.0
授賞式では彼氏の俳優、ジョー・アルウィンへの感謝の気持ちを語ったテイラー・スウィフトは、たくさんの花々の刺繍をシースルー生地に乗せたOscar de la Rentaのミニドレスを披露。ドレスと同じ花柄のマスクは、とっても華やかでロマンティック。足元のピンクのピンヒールも、ドレスに見事にマッチしていました。全身で春を感じさせる愛らしいスタイルに思わずうっとり……。
2021年秋冬のファッションウィークや展示会でも、マスクと合わせたコーディネートはよく見かけました。各ブランドのプレスさんがつけているマスクを見るのも楽しかったです。
イタリアでは、Bluetoothつきのマスクが発売されるなど、今後ガジェットとの融合が進むこともあったりして？ いずれにせよ、まだまだマスクのファッション化は進みそうな予感。
残念ながら、マスクを手放せる日はもう少し先になりそう……。だったら、メガネやアクセサリー気分で楽しんだもんがち！ 以前からBIGBANGの影響で黒マスクをつけている人はよく見ましたが、今はそこからもっとカラフルになって、柄ものも続々と登場。ネガティブにマスクをつけるのはやめて、ファッションの一部としてマスクを選んでスタイリングを工夫してみましょー！
テイスト別にレコメンド！マスクのコーディネート術
ではでは、ここからはテイスト別にコーディネートになじむマスクをご提案！
この春から新しいファッションに挑戦したいという人は、まずチェック項目で自分のテイストをご確認。トレンドもいいけど、何より大切なのは自分の“好き”という気持ち。今の自分に合う服を見つけて、その服にフィットするマスクも一緒に揃えてみては？ アクセを買うよりお手軽なので、気軽に手に入るのも嬉しいポイントです。
【ナチュラル系フェミニンスタイル】
□素材はリネンやコットンが好き
□派手な格好やトレンドの服は苦手
□ヘアメイクもナチュラルが好み
□スタイルをよく見せたい
□ヒールをはくことが多い
天然素材、着心地のよさ、肩の力を抜いて着られること。ナチュラル派におすすめなのは、やっぱり春夏はリネン混のワンピースやセットアップ。ナチュラル素材でも、ウエストマークすることで上品なお仕事仕様に変身します。足元にもジュートやコルクなどを使用したサンダルを選んで、春夏の軽やかさと上品な印象を演出。
合わせたいマスクはこちらも天然素材の洗える和紙マスク。和紙がもつ、天然の抗菌・消臭効果があって、洗濯してもその効果は持続。和紙と聞くと固そうなイメージですが、ストレッチがかなりきいていて、肌触りも◎。顔にぴたっと密着するので、ずれることもなく一日中快適です。あごにはポケットがついていて、別売りのPM2.5シートなどを入れて、効果を高めることもできます。
ペーパーキャスケットやかごバッグ、ウッドや石のアクセを取り入れつつ、全体をアースカラーでまとめるのがおすすめです。
【キャリア系スマートスタイル】
□清潔感を重視する
□シンプルなスタイルが好み
□着回ししやすいアイテムを揃えたい
□甘いスタイルが苦手
□デキる女に見られたい
バリバリ仕事に勤しむビジネススタイルにおしゃれ感をプラスしたい人はこちら！ 白シャツ＋黒パンツという、誰でも一枚は持っていそうな定番アイテムを組み合わせて、上質な小物で洗練されたアクセントを。
チェーン付きのレザーバッグや、トレンドのビット付きパンプスなど、シルバーではなくゴールドのポイントを作ることで、上品な女性らしさが加わります。
ただし、フェミニンなポイントは、シルエット、ヒール、ゴールドだけに絞り、他はメンズライクなアイテムをセレクト。柄はストライプやレジメンタルなど、シャープなラインのものを選ぶと、柔らかさが締まってきちんした印象を与えます。華やかな柄が多いストールは、あえてメンズものを選ぶのもひとつの手。
マスクも同様、ネクタイのような柄を選べば、遊び心を感じさせつつも、かっちりしたONスタイルに。3層構造の不織布で、ウイルス対策も安心です。
【アクティブ系スポーティスタイル】
□体を動かすことが好き
□とにかく着心地は楽ちん重視
□ボーイッシュなスタイルが好み
□スポーティなおしゃれを楽しみたい
□スニーカーをはくことが多い
アスレジャーのトレンドの流れで、スポーツMIXが改めて注目の的に。コロナ太りもあって、ジムに通う人や公園で走る人も増えているようです。
スポーツブランドやアウトドアブランドもどんどんスタイリッシュに変身。ファッションブランドとのコラボも広がり続けています。
一枚でコーデが完成する便利なオールインワンは、小物を合わせるのが楽しいアイテム。色の統一感とメリハリを意識してスタイリングするのがコツです。
ベージュに似合うイエローのキャップや、カーキのバッグはしっくりなじんでくれるアイテム。足元だけ存在感の強いスニーカーを選ぶことで、コーデにメリハリが出てきます。バッグのネオンカラーもコーデのポイントに。
マスクも無地のモスグリーンを選んで、全体のトーンを完成させます。しかも、このマスクはアクティブ派が夏に嬉しい冷感マスク。お肌に優しい天然由来素材を使用しているので、柔らかく快適な付け心地です。
マスク＋2アイテムで気の利いた贈り物を
展示会のおみやげも、この1年はマスクにつけるアロマスプレーやマスクケースなど、マスクにまつわるアイテムが増えました。マスクはもちろんオリジナルの消毒ジェルを発売するブランドもちらほら。
この手のアイテムは、今の時期のさりげない贈り物にもぴったり。マスク＋マスクケース＋消毒液を入れるボトルのセットは、みんなあって困らないはず。
白マスクばかりという友達に、コーディネートから気に入るであろうマスクを想像してプレゼントしてみては？ もらった相手も、心躍る新たな挑戦になります。
ガーリーなスタイルが好きな人には、優しい色合いのセットを。細かいドットが愛らしいベージュのマスクに、猫好きにはたまらないマスクケース。スプレーボトルは、自分や友達のイニシャルがあったらラッキー！
シックで大人っぽいスタイルが好みの人には、落ち着いた色合いに加え、トラッド感あふれるセットを。
パープルをきかせたチェックのマスクは、スタイルを選ばず合わせやすいアイテム。同じく、キレイ色のチェックがきれいなマスクケースに、コーデを邪魔しないグレーのスプレーボトルを合わせて。
早くマスクをしなくてもいい生活に戻りたいと思いつつ、まだ先が見えないなら今の状況をポジティブにとらえて、予防をしながらファッションを楽しむ。
あたたかな風に誘われて、今春ならではのスタイリングを研究してみましょう！