下穴をあけるための工具である錐(きり)は、古くから使われている大工道具のひとつです。三つ目錐、四つ目錐、坪錐、ネズミ歯錐など様々な種類があり、それぞれ先端の形状が少しずつ異なります。
インパクトドライバーなどの電動工具の登場で出番が少なくなりましたが、ちょっとした場面で役立つ優れものですので、ぜひ使いやすい錐を持っておきたいものです。そこでこの記事では、錐の使い方や選び方、おすすめ人気商品をご紹介します。
目次この記事でおすすめする商品
錐の特徴
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錐はネジや釘・ダボ穴の下穴をあけるために使用する道具です。下穴をあけなくても釘を打ち込むことはできますが、その場合歪んでしまうことが多く、想像以上にテクニックが必要です。そんな時、下穴をあけておくと誰でも簡単・正確に打ち込むことができます。
さらに、下穴をあけておくことで事前に木材の繊維を押し広げることができ、木が割れてしまうことを防ぎます。一度割れてしまった素材は元に戻せないので、下穴をあけることは大きな意味を持ちます。
錐と千枚通し、目打ちの違い
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錐とよく似た工具で、千枚通しや目打ちというものがあります。そもそも錐というのは先端部分が様々な形をしています。削りかすを出しやすいように三角や四角の形をしているものありますし、三叉になっているものもあります。
千枚通しは錐とは違い先端にかけて細くなる円錐型の道具です。その細さを活かし、紙やビニールへの穴あけだけでなく、糸ほどきやケガキ作業に使うこともできます。
目打ちは基本的には千枚通しと同じもので、穴あけや糸ほどきに使い、洋裁や手芸での使用がメインです。見た目としては、千枚通しに比べて太くて短く、先端の形状も曲がっているものや、細くなっているもの、先端が滑らかになっているなど様々な形があります。
錐の使い方
見た目も作りもシンプルな工具ですが、昔から「一錐、二鉋、三釿」とあるように、うまく使いこなすには高い技術が必要と言われています。基本をしっかり押さえておきましょう。
1.垂直に立てる
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穴をまっすぐにあけることが、錐を使う上で一番重要です。錐の先端は繊細なつくりになっているので、無理な力を加えるとと折れてしまうこともあります。慣れない人は必ず作業台において、正しい姿勢で使用しましょう。
2.上下に滑らせる
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最初に少しだけ刃を木材に食い込ませます。これにより揉みこむ際にずれにくくなります。滑ってけがをする恐れがありますので、片手で木材をもって片手で作業する、といったやり方はしないようにしましょう。
食い込ませたら両手で拝むように錐を挟み込み、回転させながら上から下に力を入れて穴をあけていきます。最初から早くしすぎると滑ってしまうこともあるので、力を入れずぎずゆっくりと作業してください。ここでも垂直に穴をあけることを意識してくださいね。
穴が深くなってきたら、早く回転させて大丈夫です。錐を抜くときは穴をあけるときとは違い、片手でゆっくりと抜くようにすると安全です。
貫通するときは捨て板必須!
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板を貫通する穴をあける場合は、下に、穴が開いてもいい木材(捨て板)を重ねるようにしましょう。机などを傷つけないようにと下に何も置かずに穴をあけると、貫通する際に繊維を断ち切れず、ささくれてしまう可能性があるためです。
錐の選び方
錐はシンプルな工具ですが、あける穴の種類がどういったものなのかによって先端の形状が変わります。錐の代名詞といわれる、三つ目錐、四つ目錐、坪錐、ネズミ歯錐の特徴を解説するので、悩まれている方は参考にしてみてくださいね。
ネジの下穴には三つ目錐
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三つ目錐は先端の断面が正三角形になっていて、三角形の角の部分で木材を削り穴をあけていきます。金属の軸の腹の部分が少しくびれているものもあり、これは抵抗を少なくして穴をあけやすくるための工夫です。
もともとは釘を差し込む下穴として利用されていましたが、次に紹介する四つ目錐よりも少し大きな穴があくため、ネジなどの下穴としても活躍します。
釘の下穴には四つ目錐
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四つ目錐は四方錐とも呼ばれ、先端の断面が四角形になっています。三つ目錐と違ってくびれはなく、先端にかけてどんどん細くなる形状をしているものがほとんどです。
三つ目錐よりも細い穴に仕上がるため、四ツ目錐の方が釘の下穴として使われることが多いです。
柔らかい素材には坪錐
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大きな穴をあけることができるのが特徴で、ダボ穴や紐通し穴に向いています。刃が半円状になっているため、錐もみを行うと三つ目錐や四ツ目錐とは違った穴が空きます。穴の形状から円錐(マルギリ)とも呼ばれます。
穴の周りを削るため、貫通させると円筒状の木材片が残ります。柔らかい杉・ヒノキ・桐なども、きれいに穴をあけられます。
プラスチックにはネズミ歯錐
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坪錐と同じように大きな穴をあけられる錐です。三つまたで平べったい形状をしているのが特徴です。他の種類と比べ、使用する機会は少ないですが、竹やプラスチックなどの硬くて割れやすい素材でもきれいに穴をあけることができます。
錐のおすすめ人気ランキング10選
錐のおすすめ商品を10点ご紹介します。商品によってサイズ展開が異なるため、購入の際は目的にあったサイズを選んでくださいね。
1位 角利 三つ目錐 小 キャップ付
全長:260mm
穴径:3.5mm
安全キャップ付きで工具入れの中でも安心
ニス加工をしていないため汗などで滑りにくくなっています。刃の形状よって柄の先端の色が違っていますので、シリーズで利用してもわかりやすいですよ。
キャップ付きなので、持ち運びの際や工具入れの中でも、刃先で怪我をしたりほかの工具を傷つけたりすることがないため安心です。
2位 千吉 キリ 四方錐
全長:255mm
穴径:小
そのままおいても転がらない
柄の先端部分が四角に加されているため、使っている最中その場においても傾斜で転がっていく心配がありません。少しの工夫ですが、よく利用する人にとってはありがたい仕様です。
3位 近与 坪錐 6mm
全長:全長
穴径:穴径
隠し釘・ダボ穴あけに最適
先端に半円形の刃が付いており、刃に受ける抵抗が大きいため桐等の軟材に向いています。6mmサイズがの穴を開けられます。
4位 高儀 儀助 ネズミ刃錐 4.5mm
全長:317mm
穴径:4.5mm
割れやすい素材に
竹材に小さい穴を開けるときは三つ目錐でも開けられますが、太い径の穴を開けるときはネズミ刃錐が適しています。アクリル素材にも利用可能です。
5位 利五郎 三つ目錐 小 安全キャップ付
全長::260mm
穴径:3m
くびれがポイントの1本
刃の先端から柄の部分にかけて少しくびれています。これにより削りくずを効率良く出すことができ、抵抗を少なくすることができます。
6位 近与 本職用錐 四方錐(小)
全長:250mm
穴径:小
切れ味を求めるならこちら
伝統鍛冶職人が作った逸品で、切れ味の鋭さが長持ちします。三つ目錐のくびれのように刃の溝から削りくずを取り除くため、力を効率的に伝えます。
7位 千吉 キリ 坪錐 角 径6mm
全長:285mm
穴径:6mm
切り口がキレイに仕上がる
彫刻刀の丸刀と違い、坪錐は刃先の内側に刃が付いているため切り口がきれいに仕上がります。千吉ブランドの特徴である、傾斜で転がらない設計も魅力です。
8位 近与 ネズミ刃錐 6mm
全長:290mm
穴径:6mm
絶妙な形で仕上がりが優美
ネズミ刃錐は他の錐と違い、穴を開けるような形に見えませんが、この三叉の中心部分を軸にして回すととても綺麗な穴があきます。竹やプラスチックといった硬い素材でも、深さのあるしっかりとした穴をあけられます。
9位 大五郎 まめ小錐 三ツ目
全長:170mm
穴径:小
片手でも操作ができる特殊形状
錐は本来、両手で拝むように回転させて揉み込みますが、こちらのまめ小錐は片手でも操作ができるぐらいコンパクトなつくりです。持ち運びに場所もとらないため、工具箱の隅に忍ばせておくのにちょうどいいサイズです。
10位 大五郎 まめ小錐 四方
全長::170mm
穴径:2mm
コンパクトなのに本格派
先ほどのまめ小錐と同じく、コンパクトサイズの四つ目錐です。小さいながら本格的な作業ができる、コスパの高い商品です。
角利 三つ目錐 小 キャップ付 385円 千吉 キリ 四方錐 367円 近与 坪錐 6mm 279円 高儀 儀助 ネズミ刃錐 4.5mm 385円 利五郎 三つ目錐 小 安全キャップ付 299円 近与 本職用錐 四方錐(小) 388円 千吉 キリ 坪錐 角 径6mm 381円 近与 ネズミ刃錐 6mm 353円 大五郎 まめ小錐 三ツ目 268円 大五郎 まめ小錐 四方 254円おすすめの商品一覧
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まとめ
錐で下穴をあける作業は、面倒と感じるかもしれません。しかし、そのひと手間が正確な作業や、木材が割れてしまうリスクを軽減することに繋がります
電動工具が普及しても、昔から使われている道具が役に立たないことはありません。古き良き道具を使いこなすことで技術も向上していくので、今まで使ったことがない人もこの機会にぜひ試してみてくださいね。