ビードクリームはビードワックスとも呼ばれ、自動車やバイクのタイヤの着脱をスムーズに行うための潤滑材です。固形や液体など形状も様々で、工具箱に入る手のひらサイズから、プロが使う大容量サイズまで販売されています。
今回はそんなビードクリームの詳しい用途や成分を解説。おすすめのビードクリーム6商品に加え、合わせて使いたいスポンジなどの便利グッズもご紹介します。
目次この記事でおすすめする商品
タイヤのビードとは?
ビードクリームの名前の由来であるタイヤのビード。ビードは路面と接することはありませんが、タイヤを支える縁の下の力持ちと言える部分です。ビードの役割を理解してからタイヤ交換を行うことで、ビードクリームの有用性が理解できます。
ビードの構造と役割
タイヤのうち、ホイールのリムと密着している部分がビードです。表面はゴムで覆われていますが、内側には丈夫なワイヤーの束が通っています。タイヤに空気を充填すると、ビードがリムに密着してタイヤがホイールに固定される仕組みです。
現在の自動車のタイヤはほとんどがチューブレスタイヤです。名前の通りタイヤの中にチューブが無く、タイヤの気密性だけで空気圧を保つ構造になっています。どんなにグリップ性能の良いタイヤでも、ビードが固定されていなければタイヤとしての役目を果たせません。
チューブドタイヤの場合、空気を保つのはチューブですがタイヤを保持しているのはビードです。チューブレスタイヤほど気密性は重要視されませんが、やはり重要な部分であることに変わりはありません。
タイヤの走行性能とビードの関係
タイヤはただ転がるだけのものではありません。走行性能や燃費から、乗り心地まで左右していますが、その性能を支えているのがビードです。
タイヤをホイールに装着した形が真円に近いほど、タイヤの走行性能は上がります。ビードがタイヤを固定するということは、円を保つ力を支えるということでもあるのです。更に、よく転がるタイヤは燃費の向上も期待できます。
また、タイヤは路面からの衝撃を吸収するという役割もあります。タイヤは障害物に当たって変形することでショックを吸収し、再び元の形に戻ることで走行性能と両立しています。この元に戻る力をビードが支えています。
ビードクリームの効果
タイヤ交換は大掛かりな作業ですが、ビードクリームを使用することで作業がグンと楽になります。しかし、ビードクリームの役割は作業性を上げるためだけではありません。タイヤとホイールにとってもメリットがあります。
スムーズなタイヤ交換を実現
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タイヤの構造上、ホイールの外径よりもビードの方が小さくなっています。そのビードをこじるようにしてホイールにセットするには大きな力が必要です。そんなときビードクリームを使うことで摩擦抵抗が減り、無駄な力を使わずに作業ができます。
タイヤに空気を充填して、ビードをリムに固定することを「ビードを上げる」と表現します。タイヤを見ると分かりますが、ビードはタイヤの側面よりも内側に凹んでいます。この凹みがリムに密着すると、ビードが上がったと言えます。
ビードを上げる行程でリムとの間に摩擦が発生します。ビードはタイヤの中で最も硬い部分。ビードクリームを付けずにビードを上げようとすると、摩擦抵抗が大きくなりビードとリムがスムーズにフィットしません。摩擦抵抗を減らすことがタイヤ交換のポイントです。
タイヤの保護剤
ビードクリームのもう一つの役目が、ビードの保護です。ホイールの主な材質はアルミやマグネシウムなどの金属製です。表面がゴムのビードと、金属製のホイールが摩擦を起こせば、ビードが傷んでしまうのは明らかです。
ビードを上げる際、摩擦によりビードの表面が傷んでしまうと、リムとの間に隙間ができやすくなります。そこから空気が漏れやすくなるため、タイヤの気密性が保てません。それを防ぐため、ビードクリームは保護剤として重要な役目を果たしています。
ビードクリームの成分
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ビードクリームは、主に脂肪酸ナトリウムとエチレングリコールからできています。これは固形石けんや不凍液など、身近な工業製品によく使われる成分です。
ビードクリームの代用に石けんや食器用洗剤を考えている人もいるかと思いますが、やはり代用品はおすすめはできません。確かに石けんと同じ成分は使われていますが、潤滑性の維持やクリームの伸びなどはビードクリームより劣ります。
特に食器用洗剤を水で薄めて使用した場合、残った水分がホイールに錆を発生させる原因になります。また、潤滑スプレーは乾燥く、石油系溶剤が使われているタイプは、タイヤのゴムを劣化させる可能性もあります。
ビードクリームのおすすめ人気ランキング6選
ビードクリームは車種を限定しない、汎用性の高い商品です。主に容量で違いが分けられていますので、所有している自動車・バイクの台数で容量を選ぶと良いでしょう。また、タイヤの取り外しには液体タイプがおすすめです。
1位 DAYTONA タイヤビードワックス 40g
容量:40g
場所をとらないからバイク用におすすめ
デイトナは、バイク用品からカスタムパーツまで幅広くラインナップしている、バイク愛好家におなじみのメーカーです。
容量は40gと小ぶりですが、工具箱に収納できる大きさがポイント。バイクにしか使わないのであれば十分な量です。塗布用のスポンジもついていますので、最初の一つ目としてもおすすめです。
2位 DRC ビードクリーム 40g
容量:40g
ツーリング先のパンクに備えて携行したい
オフロードバイク用品を取扱う、ダートフリークのビードクリームです。オフロードバイクのタイヤはチューブタイプが主流。タイヤが細いので比較的交換しやすい反面、パンク修理ではタイヤの脱着が不可欠です。ツーリングでのパンクに備えて携行しておけば安心です。
3位 AZ バイク用ビードクリーム 200g
容量:200g
バイクレースやツーリングチームの常備品に
AZは潤滑油やケミカルの総合メーカー。容量が200gありますので、バイクだけなら数人でシェアできます。レースのチーム用に揃えたい場合におすすめです。
4位 STRAIGHT ビードクリーム 1kg
容量:1kg
自動車とバイク兼用など、一家に一つ
容量が1kgあるため、一度購入すれば当分追加する必要がありません。自動車はもちろん、バイクと両方所有する人にもおすすめできます。
5位 マルニ工業 ビードワックス 4kg
容量:4kg
タイヤ交換が日常的なモータースポーツ愛好家に
容量4kgと、自動車整備工場やタイヤショップなどの業務用と言えます。自動車でのサーキット走行など、週末ごとにタイヤを交換するような人なら遠慮なく使えるサイズです。
6位 マルニ工業 ビードルーブ 4リットル
容量:4リットル
タイヤの取り外しにおすすめ
こちらも大容量ですが、液体タイプになります。液体タイプのメリットは浸透性です。タイヤを外す場合にリムとビードの間に浸透するよう、予め塗布しておけば作業が楽になります。
DAYTONA タイヤビードワックス 40g 720円 DRC ビードクリーム 40g 465円 AZ バイク用ビードクリーム 200g 950円 STRAIGHT ビードクリーム 1kg 1,020円 マルニ工業 ビードワックス 4kg 8,222円 マルニ工業 ビードルーブ 4リットル 2,920円おすすめの商品一覧
製品 最安値 評価 リンク 4.1 3.9 4.55 4.58
合わせて揃えたい便利グッズ
ビードクリームはスムーズなタイヤ交換に必要不可欠。そんなビードクリームをよりスムーズに使うため、あると便利なグッズを紹介します。
SOFT99 ワックススポンジ
作業時間の短縮にも効果的
ビードクリームは手や布で塗ることも可能ですが、塗りムラができたり、ゴミが付着することがあります。そのため、ビードクリームを塗る時はスポンジを利用することをおすすめします。
スポンジを使用することで、ビードクリームを均一に塗ることができ、より確実にビードを密着させることができます。
ビードヘルパー
かゆい所に手が届く逸品
タイヤの装着は、円を描くように少しずつホイールにタイヤをはめていく作業です。経験がある人なら分かりますが、一度ビードをはめてもまた外れてしまうことがあります。
これを防ぐのがビードヘルパーです。一度はめたビードをしっかり押さえてくれるので、再びビードが外れることもありません。
取り扱いの注意点
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ビードクリームは一度乾燥して固まってしまうと、潤滑性を失って再び使うことができません。また、埃・ゴミが混入すると、潤滑性ばかりかタイヤの気密性まで保てなくなるおそれがあります。
水分もビードクリームの大敵です。水分が混入すると乳化現象が起き、ビードクリームの成分が劣化してしまいます。埃やゴミ同様、屋外での使用には注意が必要です。
ビードクリームはそれほど気を遣わなくてもよい商品ですが、管理にはある程度注意が必要です。容器の蓋やキャップをこまめにする、なるべく地面に置いて使わないなど、最低限の管理をすれば無駄なく使うことができます。
まとめ
タイヤ交換は大掛かりな作業ですが、作業自体は安価にできます。中古タイヤの利用やツーリング先のパンクなど、覚えておけば何かと役立つ技術です。ビードクリームはタイヤ交換の必需品。まずは1つ用意して、タイヤ交換にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。