金属と金属を一体化することで高い強度を得ることができる溶接ですが、その中でも金属同士を熱で溶かして接合させることを「融接」と呼びます。融接といえば、代表的な方法がアーク溶接です。
アーク溶接は、空気中の放電現象を利用して同一の金属同士をつなぎ合わせます。車や鉄道車両・航空機舶など強度の必要な金属構造物から、家庭でのDIYまで幅広く使われています。
ここでは、アーク溶接に用いるアーク溶接機の種類ごとの特徴と、おすすめのアーク溶接をご紹介します。人気のメーカー「スズキッド」の商品もご紹介するので、しっかりチェックしてみてくださいね。
目次この記事でおすすめする商品
アーク溶接器とは
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アーク溶接機とは、アーク溶接に用いる機械のことです。母材と呼ばれる溶接したい金属と、アーク溶接機に取り付けた溶接棒を通電させて「アーク」を発生させ、母材と溶接棒を溶かして一体化させます。
ガスを使用しないため風の影響を受けることがなく、屋外での使用や細かい箇所の溶接に適しています。機械自体の仕組みが単純なので、溶接機自体は比較的安価といえるでしょう。また、コンパクトな設計のものも多く、持ち運びにも便利です。
なお、デメリットは溶接した箇所がきれいに仕上がらないことです。見た目をきれいに仕上げたい箇所への使用はおすすめできません。アーク溶接機には様々なタイプがありますので、使い方と合わせてご紹介します。
アーク溶接機の使い方
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アーク溶接機を使用する際には必ず長袖長ズボンを着用し、保護メガネや手持面、溶接用手袋など安全用品を身に付けましょう。室内で行う場合は必ず換気をしてください。また、事前準備として、母体の錆びや汚れを落としおくと、きれいに溶接できます。
電源を接続後、アースクリップを溶接物にくわえさせます。ホルダーを利き手に持ったら、溶接棒のフラックスのない部分を挟み込んで装着します。アークスタート点に溶接棒の先端を持っていき、遮光面で顔を覆います。
溶接棒で溶接物をひっかくと、アークと呼ばれる電気火花が発生します。この状態をアークスタートと呼び、アークスタートしたらホルダーと溶接棒を移動していきます。溶接棒は進行方向45~60°倒しましょう。
アークが発生してからは、必ず遮光面の覗き穴から確認してください。直接肉眼でアークを見ると紫外線や強い光線のため目を傷めます。
アーク溶接機の選び方
アーク溶接機は、金属を溶かして接合しますが、その方法や使用可能時間などは種類によって様々です。対象物や目的に適したアーク溶接機を選びましょう。
対象物に適したタイプで選ぶ
アーク溶接機にも様々なタイプがあります。溶接したい金属の種類や厚みなどに適したアーク溶接機を使用するようにしましょう。
直流インバータ溶接機
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通常入力側の電流は交流ですが、この交流電流を直流に変換する機能の付いたものを直流インバータ溶接機と呼びます。交流から直流にすることで常に一定の大きさや向きで電流が流れるため、安定してきれいに溶接できます。
直流インバータ溶接機は、比較的高価です。その分従来のトランス制御による交流溶接機よりも小型化することが可能となりました。
交流アーク溶接機
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直流に比べると安価で小さくコンパクトな設計となっています。しかし、交流電流は一定の周期で電流の大きさや周期が変わるため、アークが安定しにくく直流より強度が劣る場合があります。
専門的に使い続けることはあまりお勧めできませんが、価格面で直流よりも安価なため、一時的な使用には適しています。
ノンガス半自動溶接機
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ノンガス半自動溶接機は、溶接棒を使用して溶接する被膜アーク溶接機とはちがい、溶接ガンと呼ばれる棒から溶接材が自動で出ます。たくさん溶接しなければならない場合、アーク溶接機は溶接棒を何度も交換しなくてはいけないため手間も時間もかかってしまいますが、半自動アーク溶接機ではスムーズに作業を行うことができます。
また、スイッチを入れるだけで溶接できるため取り扱いやすいのが特徴です。溶接スピードも速く、工事や重機の修理などで重宝されています。
ノンガス半自動溶接機で使用する溶接剤には、フラックスと呼ばれる溶けるとシールドになる融剤が一緒になっており、半自動溶接機のように融接後にバリアを作る必要がありません。
定格入力(使用電流・電圧)で選ぶ
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定格入力とは、電圧と電流の積の最大値を意味します。具体的な数値は、4KVAなどと表記され、Kはキロ・1000を意味しますので4000VAということになります。電圧が100Vの場合、40Aの電流を消費します。
多少オーバーしても問題ないことがほとんどですが、使用する際に必ず確認するようにしましょう。参考までに、一般家庭での電力は20~35Aほどで契約している方が多いといわれています。
定格使用率で選ぶ
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アーク溶接機は、続けて使用できる時間が定められています。JIS規格により10分周期で表記するよう定められており、例えば使用率が20%の場合、2分連続して使用するとその後8分間休ませなければなりません。この割合のことを定格使用率といいます。
なお、実際に使用する際は定格出力電流より小さい場合が多く、その分使用率が長くなることがありますが、オーバーして使用をし続けると故障の原因にもなりますので注意してください。
直流・交流アーク溶接機のおすすめ人気ランキング5選
電流をつなげてアークを発生させるアーク溶接機のおすすめ商品をご紹介します。ここでは直流・交流合わせてご紹介していきます。
1位 スズキッド(SUZUKID) 100V専用直流インバータ溶接機
重量:5.5kg
出力電流:10~60A
入力電圧:22KVA
使用率:20%
タイプ:直流インバータ
安定した直流インバータ溶接機
スズキッドの100V専用直流インバータ溶接機です。家庭用のコンセントでも使用できるモデルですが、その実力は折り紙付き。アークスタート時に溶接棒がくっついてしまうことなく、スムーズに作業ができると評判です。
重量が5.5㎏と軽量のため、屋外作業時の持ち運びの負担になりません。価格も比較的低価格で、長く愛用できるコストパフォーマンスの高い逸品です。
2位 交流 直流 切替式 インバーター
重量:22kg
出力電流:10~170A
入力電圧:ー
使用率:60%
タイプ:直流/交流切替式
交流と直流の切り替えであらゆる金属に対応
1台で交流と直流の切り替えができ、鉄・ステンレス・アルミ・銅など様々な金属の溶接が可能です。細かい調整が可能な設計となっており、自動車の修理や、ラジエーターの溶接など幅広く対応できます。
空冷ファン付きで、低下使用率が60%と高いのもポイントです。
3位 育良精機 アークファン
重量:8kg
出力電流:40A
入力電圧:1.35KW
使用率:10%
タイプ:交流アーク
コスパ◎コンパクトな交流アーク溶接機
育良精機の交流アーク溶接機です。価格が1万円以下と破格ですが、その仕事ぶりは他の溶接機に引けを取りません。細かい箇所、薄い金属板なら簡単に溶接できます。溶接経験があれば取り扱いは容易です。
4位 日動工業 100V / 200V 兼用
重量:7.6kg
出力電流:100A
入力電圧:3.2}KVA
使用率:50%
タイプ:直流インバータ
デジタル表示で設定も簡単
日動工業の直流インバータ溶接機です。100Vと200Vの切り替えができるため、母材に適した電圧に設定でき、母材の厚さ5mmまで溶接可能です。インバータ方式で安定した溶接が出来ます。
また、デジタル表示で設定が見やすいため安心して作業を行うことができます。
5位 スズキッド 交流アーク溶接機 ホーム
重量:6kh
出力電流:40A
入力電圧:1.5KVA
使用率:20%
タイプ:交流アーク
一家に一台あると便利!家庭用アーク溶接機
スズキッド製の家庭用交流アーク溶接機です。小型・軽量で片手で楽々持てるサイズです。本体価格も1万円以下と安価で購入のハードルが低いのもポイント。使用率オーバー防止機能がついているため、内部破損の恐れがありません。
ノンガス半自動溶接機のおすすめ人気ランキング5選
ここからは長時間、広範囲の使用に適しているノンガス半自動溶接機のおすすめ商品をご紹介します。
1位 ノンガス半自動 溶接機 100V
重量:7.1kg
出力電流:20~100A
入力電圧:19KVA
使用率:60%
タイプ:ノンガス半自動
軽量で持ち運びに便利な肩ベルト付き
使用率60%でさくさく作業が進められるノンガス半自動溶接機です。7.1㎏と軽量で、肩にかけるためのベルトが付属しており、持ち運びに大変便利な溶接機です。ノンガス半自動溶接機は取り扱いやすいため、練習をすれば初心者でも使用することができますよ。
2位 スズキッド 半自動溶接機アーキュリー
重量:26KG
出力電流:30~145A
入力電圧:200V
使用率:9~100%
タイプ:ノンガス半自動
4段階の電流で様々な母材に対応
スズキッドの半自動溶接機です。ガス・ノンガスに対応し、4段階の電流調整で母材の素材や厚みに応じて細かく調整をすることができます。使用率オーバー防止機能がついているため、内部破損の恐れがありません。プロアマ関係なく扱いやすいと評判です。
3位 育良精機 イージーアーク
重量:12kg
出力電流:80A
入力電圧:2.1KVA
使用率:20%
タイプ:ノンガス半自動
細かい修理にはこの1台
育良精機のノンガス半自動溶接機です。溶接棒の行け替えが不要でさくさく作業をおこなうことができます。厚みが大きいとしっかり溶け込まないため、薄い母材に適しています。小物や簡単な修理であれば十分役割を果たしてくれるでしょう。
4位 RILAND (リランド) ノンガス半自動溶接機
重量:5.5kg
出力電流:25~80A
入力電圧:2750VA
使用率:60%
タイプ:ノンガス半自動
軽くて長い時間作業ができる優れもの
リランドのノンガス半自動溶接機です。5.5Kgと今回ご紹介した中で最も軽量な溶接機です。使用率60%と比較的高いため、スムーズな作業が可能です。シンプルな設計で初心者からベテランまで使いやすいのもこの溶接機の特徴です。
5位 MIGノンガス半自動溶接機
重量:17kg
出力電流:50~120A
入力電圧:3.6KVA
使用率:15%
タイプ:ノンガス半自動
中級者向けのコスパ◎溶接機
厚さ6ミリまで対応可能なノンガス半自動溶接機です。細かい調節が可能で、溶接に慣れた方であれば容易に使いこなすことができます。商品の個体差が大きく、すぐに破損してしまう場合があるようですので、使用前には必ず確認してから作業に移りましょう。
スズキッド(SUZUKID) 100V専用直流…… 19,800円 交流 直流 切替式 インバーター 59,800円 育良精機 アークファン IS-H40BF 7,910円 日動工業 100V / 200V 兼用 5,500円 スズキッド 交流アーク溶接機 ホーム 8,098円 ノンガス半自動 溶接機 100V 29,800円 スズキッド 半自動溶接機アーキュ…… 64,800円 育良精機 イージーアーク 28,886円 RILAND (リランド) ノンガス半自動…… 31,800円 MIGノンガス半自動溶接機 18,900円おすすめの商品一覧
製品 最安値 評価 リンク 4.54 2.5 4.27 4.67 4.22 3.84 3.75 4 4.52 3.68
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はアーク溶接機のおすすめ商品を使い方や選び方とともにまとめました。アーク溶接機には様々な種類や用途ごとの選び方があることをお分かりいただけたかと思います。あなたもこの記事を参考に、最適なアーク溶接機を見つけてくださいね。