下げ振りは糸先に垂らした錘で鉛直・垂直を調べる測量・計測道具です。柱が真っ直ぐ立っているかや、組み立てた部品に段差がないかを調べるために使われます。
タジマやシンワ測定のような測定工具メーカーから形状・機能ともに多彩な製品が販売されていて、商品選びに困る方もいるでしょう。ここでは下げ振りの形状・機能ごとの特徴を紹介しますので、ぜひ選び方の参考にしてください。
目次この記事でおすすめする商品
下げ振りの用途
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下げ振りは鉛直・垂直を見るために使われる道具です。一般的な形状の下げ振りは、紡錘形の錘である下げ振り・固定のための下げ振り保持器・2つを繋いでいる糸から構成されています。
鉛直を測定したい壁面・柱に下げ振り保持器を固定すると、下げ振りは重力に引かれて地面・床へと垂れ、糸がピンと張ります。下げ振りの先端が壁・柱から離れている距離により、どれだけ鉛直に近いか、傾いているかが分かる仕組みです。
下げ振りの用途は、単に鉛直を調べるだけではありません。鉛直線上に印を付けたいときに使えますし、現場に引いた水糸を垂直に下ろす際にも便利です。また、乗用車でホイールをツライチにしたい時にも重宝します。
下げ振りの選び方
下げ振りを選ぶ際には、まず本体タイプを見ていきましょう。測定場所に適したタイプを選んだら、次に機能で絞り込んでいきます。判断がつかない場合は、測定精度の信頼性が高い有名メーカー製品を選ぶのもおすすめです。
タイプで選ぶ
壁に保持して糸を垂らし錘の距離を読む、と下げ振りは一見すると単純な道具です。しかし、普通の使い方では測定が難しいケースもあります。測定対象や用途に合わせて下げ振りのタイプを選んでいきましょう。
鉄部に張り付くマグネットタイプ
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下げ振り保持器の固定方法は一般的に針打ち付けですが、この方法では鉄素材に取り付けられません。鉄板・鉄柱の鉛直を調べるなら保持器がマグネットタイプのものを選びましょう。
ほとんどのマグネットタイプの製品は針内蔵で、木素材にも固定できるようになっています。針だけよりも測定幅が広がるため、とても便利です。ただし、磁性のないアルミなどの金属にはマグネットタイプでもつけられません。
測定の難しい場所でも対応可能なレーザータイプ
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指向性・直進性のあるレーザーを使用した下げ振りです。糸・錘を用いないので測定が素早く行えて、風の影響を受けません。レーザー墨出し器の付加機能とされているケースが多く、1台あれば段差や遮蔽物がある環境にも重宝します。
高性能なタイプですが、レーザーは重力の影響をほぼ受けないため、取り付け面が傾いているとレーザーも傾いてしまいます。精密な鉛直を行うには補正機能付きを選びましょう。
細かな読み取りが可能なダイヤルタイプ
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ダイヤルタイプの下げ振りは、長い金属板に目盛り付き測定器が取り付けられています。調べたい面に金属板を沿わせることで、測定器の目盛りが角度を教えてくれる仕組みです。
ダイヤルタイプは金属板の長さごとに商品展開されているので、測定したい長さに合わせて購入しましょう。また、途中に出っ張りがある壁にも対応できるように突き当て部品付きの製品が便利です。
風の影響を受けにくい風防タイプ
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風防タイプは、細長い竿の中に下げ振りが垂れている形状です。下げ振りが見える先端部は、周囲を透明なカバーで覆えるようになっています。風の影響で下げ振りが揺れてしまう屋外の測定でも、カバーで覆えば測定することが可能です。
こちらも突き当て部品があると、仮筋交いのある柱でも測定しやすくなります。価格は高価ですが、遮蔽物のない建設現場などには便利です。
便利な機能で選ぶ
下げ振りを選ぶ際には、便利な機能にも着目してください。錘の揺れがはやく収まるクイックブラ、用途を広げられる金属フック、使用後の片付けが楽になる自動巻き取りをご紹介します。
素早い測定に便利クイックブラ機能
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下げ振りを垂らすと、はじめは輪を描くように揺れて徐々に静止していきます。このタイムロスをなるべく縮めてくれるのがクイックブラ機能です。
錘の内部に一定方向にのみ動く機構があり、揺れ方向を制御することで早く静止させてくれます。なお、この機能はタジマではクイックブラ、シンワ測定ではスイピタと呼ばれています。
コンクリートにも取り付け可能な金属フック
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コンクリートのような素材には下げ振り保持器の針が通しづらく、マグネットでも固定できません。金属フック付きの製品であれば、コンクリートに打ち込んだ釘、もしくは型枠に使われる丸セパレーターに引っ掛けられます。
金属フックは保持器内部に収納できるようになっているので、針・マグネットでの固定時も邪魔になりません。また、アルミサッシに引っ掛けられるフック形状の製品も展開されています。
ワンタッチで操作できる自動巻き取り機能
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下げ振りを使用した後は、垂らした糸を回収する必要があります。この糸をボタン1つで収納する自動巻き取り機能があると、片付けが簡単です。基本的な形状の下げ振り保持器なら、この機能付きの製品を探してみましょう。
安心の有名メーカーで選ぶ
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測定器具選びで重視したいのは、測定精度の高さではないでしょうか。その点で選んでいくなら、やはり国内の有名メーカーの製品がおすすめです。
シンワ測定はプロからの支持が厚い、測定工具国内シェアナンバーワンメーカーです。ノーマルな保持器型から、風防型、ダイヤル型など幅広い製品展開を見せています。
多機能を求めるならタジマはいかがでしょうか。糸と錘を使う下げ振りのラインナップが多彩で、測定をサポートする補助棒も販売されています。
下げ振りのおすすめ人気ランキング10選
すぐに使える製品を中心に、10個の下げ振りをピックアップしました。特殊なタイプではシンワ測定、糸を使うタイプではタジマの製品に人気が出ています。
1位 タジマ パーフェクトキャッチG3-300W クイックブラ付 PCG3-300WQB
重量:427g
素材:ケース/ABS樹脂・エラストマー樹脂、下げ振り/スチール
機能が豊富なタジマ製のパーフェクトシリーズ
多機能な商品を展開しているタジマの、パーフェクトキャッチG3シリーズの1つです。とくにマグネットの磁力が強く、鉄部に強力にくっつきます。エラストマー樹脂により滑りにくいため、取り外しが難しくありません。
木部取り付け用の針は貫通構造ではないためハンマーで叩けませんが、安全性を高める針ロック機能付きです。取り付け面には穴や溝がつけられていて、コンクリートの丸セパレーターやアルミサッシにも取り付けられます。
糸サイズは3mと、小屋作りや平屋建てに適した長さです。自動巻き取りのため、糸を使いたい長さで止めることもできます。通常の測定だけでなくツライチ測定にも使えるので、自動車整備にも適しています。
本体のメンテナンスが工具なしで行えるのも利点です。針の交換は針ロックを解除して手順通りに行うだけで終わります。本体からガイド糸が出ていて、糸の交換はこの糸と下げ振り側糸を結ぶだけ。DIY・プロのどちらにもおすすめの下げ振りです。
2位 タジマ パーフェクトキャッチG3-450 クイックブラ付 PCG3-B400B
重量:658g
素材:ケース/ABS樹脂・エラストマー樹脂、下げ振り/スチール
針ロック機能付きで安全性が高い下げ振り
木・鉄部・コンクリート・アルミサッシと、多くの素材に取り付けられます。針の頭は金属部が露出しており、ハンマーで叩けるようになりました。硬い木材にもしっかり固定ができます。
適応振り下げ重量は100~1000gと上限が大きいため、風の影響が懸念される環境では重めの錘が使えます。下げ振り重量を変えた場合には、バランス調整ダイヤルを回す必要があるため、忘れないようにしましょう。
針の不意な飛び出しを防いでくれる針ロック付きで、持ち運びや取り出した時に柄を握って怪我するおそれがなくなり、安全に使っていけます。
3位 シンワ測定 ハンディ下げ振り Jr. 自動巻 スイピタ200g付 77502
重量:320g
素材:ケース/ABS樹脂・エラストマー樹脂、針/バネ鋼、マグネット/ネオジム磁石、糸/ナイロン
耐久性があり、メンテナンスで長持ちさせられる
とても軽量なので、持ち運びやすい下げ振りです。本体はエラストマー樹脂で保護されているだけでなく、水滴侵入防止壁をケース各所に施されているので水に強い構造です。
針はヘッドに金属部が露出しているので、ハンマーでしっかり打ち込めます。T型なので使用後に引き抜きやすくなっています。木だけでなく、鉄やコンクリートにも取り付けることが可能です。
なお、取替用の針が別売りもされています。針カバーを外すと針を取り出せるため、針交換時には工具がいりません。ドライバー1本で糸交換もできるなど、1台を長く使っていきたい方にぴったりです。
4位 山真製鋸 レーザー下げ振り SG-GP2
重量:472g
墨出し機としても使えるレーザー下げ振り
鉛直方向にレーザーを出せるレーザー下げ振りです。風の影響を受けることがないため、屋外での鉄骨の垂直出しなどの作業が捗ります。
ただし、下げ振りとして使うには固定用の専用アダプターが必要です。計測用のターゲット板もあった方が便利でしょう。
縦・横へのレーザーも出せるため、レーザー墨出し機としても使えます。振り子のロックをすることで斜め方向にもレーザーを出せるので、階段手すりのラインや段差の墨付けも難しくありません。
5位 タジマ パーフェクトキャッチG450 クイックブラ付 PCG-B400R
重量:650g
素材:ケース/ABS樹脂、カバー/エラストマー樹脂、糸/ナイロン、下げ振り/スチール
エラストマー樹脂仕様で仕上げ材の測定に便利
6位の製品の型番違いで、基本的な性能は同じですが、弾力のあるエラストマー樹脂で本体が覆われています。鏡面仕上げにした鉄部に固定しても傷付きにくく、軍手で持っても滑りにくいのが特徴です。
適応振り下げ重量は100~1000gなので、比較的重めの錘でも取り付けられます。付属下げ振りにはタジマのクイックブラ400がついていますが、重い下げ振りに付け替えることも可能です。
6位 タジマ パーフェクトキャッチ450 クイックブラ付 PC-B400R
重量:610g
素材:本体/ABS樹脂、糸/ナイロン、下げ振り/スチール
スタンダードな性能を持っていて使いやすい
木・鉄・コンクリート・アルミサッシとさまざまな部材に取り付けられる下げ振りです。替え針1本付きで、木に針が通りにくくなったら替えて使い続けられます。
4.5mと長めの糸も、自動巻なので回収が簡単に行えます。取付面からの糸離れをツライチ・50mmの2段階で設定できるため、測定用途に合わせて使い分けましょう。
7位 シンワ測定 風防下げ振り ベーシック 77554
重量:3060g
素材:竿/アルミ、ドラムカバー/ポリカーボネート樹脂、錘/鉄、突き当て部/アルミ
伸縮機能付きの風防下げ振り
風の影響を受けない風防タイプで、1.5~3.3mまで長さを調節することが可能です。突き当て部付属により、筋交いを入れた柱の計測にも使えます。大型サイズと約3kgの重量により持ち運びが不便な点に注意してください。
8位 タジマ ピーキャッチ糸巻き100 P-IM100
重量:150g
素材:ケース/ABS樹脂、糸/ナイロン、下げ振り/スチール
シンプルな構造の下げ振り
針とマグネットにより木・鉄部はもちろん、コンクリートのセパレーターを差し込める穴、アルミサッシに差し込める溝付きです。取り付け面には糸掛けピンがあり、ツライチ測定に使えます。見た目通りの手巻きのため、片付ける時には苦労します。
9位 タジマ ピーキャッチ300 クイックブラ付 P300-QB
重量:400g:重量:400g
素材:ケース/ABS樹脂、糸/ナイロン、下げ振り/スチール:素材:ケース/ABS樹脂、糸/ナイロン、下げ振り/スチール
用途によって糸の距離を変えられる
糸出口をツライチ・30mmの幅に変えられるため、多目的に使えます。固定具は針・マグネットの両用です。針柄にはロックがついていないため、取扱いには注意しましょう。
10位 シンワ測定 ダイヤル下げ振り 110cm 77548
重量:1500g
素材:本尺・スライドアーム・目盛・指針固定レバー/アルミ、カバー/ABS樹脂、針/スチール
正確な鉛直性を測りたい方向け
指針固定レバー付きで、測定部から外した後でも数値を読み取れます。精度の高い測定ができる分、価格は高価です。
タジマ パーフェクトキャッチG3-30…… 2,497円 タジマ パーフェクトキャッチG3-45…… 2,775円 シンワ測定 ハンディ下げ振り Jr. …… 1,676円 山真製鋸 レーザー下げ振り SG-GP2 18,400円 タジマ パーフェクトキャッチG450 …… 2,864円 タジマ パーフェクトキャッチ450 …… 3,206円 シンワ測定 風防下げ振り ベーシッ…… 20,180円 タジマ ピーキャッチ糸巻き100 P-I…… 1,238円 タジマ ピーキャッチ300 クイック…… 2,496円 シンワ測定 ダイヤル下げ振り 110c…… 27,279円おすすめの商品一覧
製品 最安値 評価 リンク 4.1 4.5 4.05 4.07 3 4.1 4.25
下げ振りと合わせて使いたいアイテム
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水平器と下げ振りは、建築現場ではよくセットで使われます。土台が傾くとそこに立てる柱・壁も傾きますから水平器が必須ですし、水糸の位置調整や筋交い後の鉛直確認では下げ振りが使われます。どちらもチェックに欠かせない道具です。
また、下げ振りの糸離れ長さの測定では差し金がよく用いられます。持ちやすいため、糸に触れることなく測定できて便利です。下げ振りは水平器・差し金と合わせて使っていくとよいでしょう。
まとめ
下げ振りは、柱や壁などの鉛直性を測定するために使われます。選ぶときには本体形状の違いから見ていきましょう。屋内での使用なら針・マグネットで固定するタイプ、風の影響がある屋外ならダイヤル・風防・レーザーがおすすめです。
機能面はメーカーごと・製品ごとに違いが見られるため、必要な機能をよく考えて選んでください。シンワ測定やタジマなど、有名メーカーの最新製品は機能が充実しているのでとくにおすすめです。