超硬合金やセラミック製の包丁の刃も研ぐことができる、ダイヤモンド砥石。包丁だけでなく、ノミやカンナといった刃物のお手入れにも使用できるうえ、普通の砥石の面直しもできるので、一家に一台あると便利なおすすめアイテムです。
ナニワのような砥石を専門的に扱っているメーカーや、SK11や高儀のような工具のメーカーからも様々なダイヤモンド砥石が販売されています。そこで今回は、ダイヤモンド砥石の選び方とおすすめの製品をご紹介。この記事を参考に自分の用途にしっかり合ったものを選んでください。
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ダイヤモンド砥石の選び方
ダイヤモンド砥石は、その名の通り小さな粒子状のダイヤモンドを使用した砥石なので、硬いものでも砥ぐことができるのが最大の特徴です。
しかし、砥石面が硬いだけに、使い方や研ぎ方を間違えると刃物を削りすぎてしまったりなど使いずらくなってしまうことも。以下の記事を参考に自分の用途に合ったダイヤモンド砥石を選んで、正しく使ってください。
包丁の素材で選ぶ
まずは、製造方法による区別です。ダイヤモンド砥石には、ダイヤモンドを砥石に固着させる方法として大きく2つの方法があり、それぞれに特徴があります。砥ぐ包丁などの刃物の素材に合わせて選ぶことが大切です。
柔らかい素材には適度な研磨力の「焼結タイプ」
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焼結タイプというのは、ダイヤモンドを結合材と混ぜて焼成した(焼き固めた)もので、他の種類よりもダイヤモンドの層に厚みがあります。
層に厚みがあるので、ダイヤモンドが剥離しても次のダイヤモンドが顔を出すことで長い期間使用することができます。価格は電着タイプよりも高いですが、使用頻度が多い方には電着タイプよりもコストパフォーマンスはよくなるでしょう。
結合材が含まれているので電着タイプよりも当たりがやわらかく、柔らかい素材の研磨に向いています。ですが、普通の砥石でも研げる包丁や刃物はダイヤモンド砥石では削り過ぎてしまう恐れもあるため、それらの場合は普通の砥石で研ぐようにしましょう。
セラミックなどの硬い素材には高い研磨力の「電着タイプ」
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ダイヤモンド砥石というものが必要になる理由の一つに、セラミック製の刃物は普通の砥石では研げないということがあります。ダイヤモンド砥石の中でも、特に電着タイプは硬い素材に向いています。
電着タイプというのは、金属の表面にメッキ加工と同じ要領でダイヤモンドを付着させたものです。下地が金属で焼結タイプよりもダイヤモンドが表面に大きく出っ張った形になっているため、特に硬い金属に力を発揮するのです。
ただし、ダイヤモンドの層が薄いため、使用していくにつれてダイヤモンドが剥離してしまうと切れ味が鈍くなります。電着タイプは基本的には研げなくなったら買い換えるしかないのですが、ダイヤモンドの面だけを貼りかえることができる製品もあります。
用途に合わせた粒度で選ぶ
ダイヤモンド砥石に限らず、砥石には粗さの違いを表す番手(ばんて)というものがあります。これは粒度を示したもので、粒度というのは砥石に含まれる硬い粒(砥粒)の大きさの単位です。ダイヤモンド砥石の場合は、ダイヤモンドの粒の大きさということになります。
具体的には、#200とか#1000といった表示がされているものがそれで、数字が大きくなるほどに砥粒が小さく、砥石の目が細かくなります。用途に合った番手の砥石を選ぶことが砥石選びではとても重要です。
荒砥石、中砥石、仕上砥石の3つのタイプに分けるのが一般的です。
大きく欠けた刃先を修理するなら「荒砥石」
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荒砥石というのは最も目が粗いタイプの砥石で、粒度が#80~300程度のものを指します。欠けた刃を修正する場合のように、大きく削りたいときに使います。こういった刃の形を変えてしまうような砥ぎ方を荒砥ぎといいます。
ダイヤモンド砥石は、その硬さゆえに削りが早く、荒研ぎに向いています。ただ、早く砥げてしまうだけに、下手な砥ぎ方をすると削りすぎて刃をダメにしてしまうこともありますので注意が必要です。
日々のメンテナンスには「中砥石」
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中砥石は、粒度が#400~1500程度の砥石です。中砥ぎは本格的に刃物を手入れするプロの方にとっては仕上げ砥ぎの前段階ということになりますが、家庭で使用する場合は中砥石による砥ぎだけでも十分です。
切れ味が悪くなった包丁を砥ぐという一般的な砥石の使い方をする際の砥石が、中砥石です。どれか一つを購入する場合、まずは中砥石を買いましょう。
切れ味にこだわるプロには「仕上砥石」
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粒度#3000以上の砥石です。中砥石で砥いだ刃物の切れ味をさらに高めるために使います。仕上砥石で丁寧に砥いだ刃物は、鏡のようにピカピカになります。
仕上砥石は基本的にプロ用の砥石といえるものです。他のタイプの砥石よりも価格も高くなるので、特に刃付けに拘る人におすすめします。
ひとつで複数の削りができる「両面タイプ」
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ダイヤモンド砥石の電着タイプの場合、砥石の両面で粒度を変えてある製品があります。これらが両面タイプのダイヤモンド砥石です。
具体的には、荒研ぎ用の#150と中仕上げ用の#600が表裏になっているものです。このタイプは、1つの砥石で2種類の砥ぎができるので便利です。
安全・作業のしやすさを重視するなら砥石台付き
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砥石に台が付いたものです。砥石単体では高さが足りず砥ぎにくいため、台つきのものを選ぶと作業がしやすくなります。また、手を机にぶつけたり、鋭いダイヤモンド砥石で手を擦ってしまったりする危険性も減らせるため、安全対策にもなります。
ただ、砥石台は別売りのものを買うこともできるので、購入の際には台乗り砥石でなければいけないというわけではありません。
初心者でも簡単な補助具付き砥石も
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砥石を使って刃物を砥ぐ際には、刃先の角度を適切な角度に固定することが重要です。これが初心者のうちは難しいのですが、補助具があると適切な角度に固定してくれます。
素人でも簡単に刃付けができるので、砥石を始めて使うといった人には特におすすめしたいタイプの砥石です。
なお、上の画像の製品は、砥石を専用のホルダーに装着して使うやや特殊なものですが、包丁の背の部分に取り付けて砥石との角度を合わせるもっと簡易的な補助具もあります。補助具についても、別売りされているものがありますので見てみてくださいね。
ケース付きなら収納にも便利
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砥石を頻繁に使うプロの方はともかく、必要に応じてたまに使う程度の人にとっては砥石の収納方法も考える必要があります。特にタイヤモンド砥石は表面が硬いダイヤモンドなので、適当にしまっておくと他の道具を傷つけてしまう可能性も。
収納のことを考えると、ケースに入った砥石は便利です。ケースの下部がそのまま砥石台になる製品も多いので、一石二鳥です。
ダイヤモンド砥石のおすすめ人気ランキング8選
ここからはダイヤモンド砥石のおすすめ製品をご紹介していきます。自分の用途に合った製品を探してみてください。
1位 SK11 両面ダイヤモンド砥石 #150/#600
粒度:荒砥ぎ面150・中仕上げ面600
サイズ:204×65×7mm
重量:800g
付属機能:スベリ止め下敷き付
目が粗い#150と#600の両面砥石
SK11は、各種工具などの商品開発・販売・流通・輸出入を行っている企業、藤原産業のブランドです。創業は明治30年という歴史のある企業です。
この製品は2位でご紹介したのと同じ両面タイプのダイヤモンド砥石です。2位の製品よりも目が粗い#150と#600の組み合わせですから、工具や包丁の刃が欠けてしまった場合の修正などに向いています。
また、電着タイプのダイヤモンド砥石は面のくるいが生じないのが大きなメリットです。一般の砥石よりも硬度も高いので、他の砥石の面を平らにする面直しに最適です。この製品は価格も安いので、面直しのためだけに購入しても損はありません。
2位 モノタロウ 両面ダイヤモンド砥石
粒度:荒砥ぎ面400・中仕上げ面1000
サイズ:200×70×8.3mm
重量:-
付属機能:台付き
コスパ良好!ご家庭用にぴったり
事業者向けに工具などの間接資材を販売するネットストア「モノタロウ」のプライベートブランド商品です。ネットストアのPBだけあって、手頃な価格が魅力です。
台付きで、これだけ購入すれば直ぐに使えます。値段も手頃なので、初めてダイヤモンド砥石を使ってみるという人にオススメです。
3位 ほんまもん 片面電着ダイヤモンド砥石【#150Ĭ̠&ゴム砥石台】
粒度:荒砥ぎ用150、荒砥ぎ用300、中砥ぎ用800
サイズ:205×70×8mm
重量:-
付属機能:ゴム砥石台付き
片面電着タイプの3枚セットで面直しに便利
裏面がゴム張りの片面タイプの砥石が3枚セットになった商品です。特に目が粗い#150に、荒研ぎ用の#300、中砥ぎ用の#800がセットになっていますから、日常的な砥ぎの作業はこれで全部まかなえるという人も多いはずです。
それぞれの砥石はバラ売りもされているので、痛んだら個別に買い換えることもできます。
4位 ナニワ ダイヤモンド角砥石 DR-7510 #1000
粒度:1000
サイズ:210×75×16mm
重量:690g
付属機能:ドレッシング砥石付き
目が細かい焼結タイプのダイヤモンド砥石
8位でご紹介した製品の目が細かいタイプです。ドレッシング砥石が付属しているので、切れ味が悪くなってきたら、これで表面を軽く擦ると切れ味が戻ります。なお、ナニワの同シリーズには、#600から#60000までありますから、用途に合ったものが選べます。
5位 遠藤商事 業務用 ダイヤモンド庖丁研ぎ器 トギコロII(両刃用)
粒度:荒目300、細目600:粒度:荒目300、細目600
サイズ:砥ぎ台260×82×35mm、砥ぎホルダー200×30mm、ダイヤプレート200×30mm:サイズ:砥ぎ台260×82×35mm、砥ぎホルダー200×30mm、ダイヤプレート200×30mm
重量:約220g:重量:約220g
付属機能:砥ぎ台、砥ぎホルダー付き:付属機能:砥ぎ台、砥ぎホルダー付き
素人でも簡単に砥げるローラー式砥ぎ器
角度のついた砥ぎ台に包丁を乗せて、砥ぎホルダーにセットした砥石を前後に動かしながら、少しずつ横にスライドさせていくと包丁が砥げます。砥ぎホルダーにはローラーが付いていて、角度を一定に保ちやすくなっていますから、素人でも簡単に包丁が砥げます。
6位 ダイヤケアー 彫刻刀用砥石
サイズ:200×270mm
重量:約1kg
付属機能:ガイドバー付き
彫刻刀専用のダイヤモンド砥石
彫刻刀を砥ぐため専用のダイヤモンド砥石です。砥ぎに慣れていない人でも当て板を使って刃の角度を適切なものに合わせることができるよう工夫されています。他の刃物を研ぐには向いていませんが、彫刻刀の手入れを頻繁に行う人にはオススメです。
7位 高儀 GISUKE ダイヤモンド両面砥石 砥石台付 #150/600
粒度:#150、#600
サイズ:285×115×30mm
重量:950g
付属機能:砥石台付き
安価な台付きダイヤモンド砥石
メーカーの高儀は、主に工具類の製造販売を行っている企業です。工具メーカーの製品ですが、もちろん包丁を研ぐのにも使えます。合成ゴム製の砥石台が付属して、この価格ですから、コスパはかなり良い製品です。
8位 ナニワ ダイヤモンド角砥石 DR-075 #800
粒度:#800
サイズ:210×75×16mm
重量:-
付属機能:ドレッシング砥石付き
やや目が粗い焼結タイプのダイヤモンド砥石
焼結タイプのダイヤモンド砥石です。今回ご紹介している製品の中でも価格は高めですが、ダイヤモンド層の厚みが1cmあるので、長く使えます。なお、この製品の品番は現在はDR-7508に変更されています。こちらの品番で売られているサイトもありますが同じものです。
SK11 両面ダイヤモンド砥石 #150/#…… 1,780円 モノタロウ 両面ダイヤモンド砥石 2,041円 ほんまもん 片面電着ダイヤモンド…… 11,500円 ナニワ ダイヤモンド角砥石 DR-751…… 12,179円 遠藤商事 業務用 ダイヤモンド庖丁…… 3,084円 ダイヤケアー 彫刻刀用砥石 8,943円 高儀 GISUKE ダイヤモンド両面砥石…… 1,792円 ナニワ ダイヤモンド角砥石 DR-075…… 12,450円おすすめの商品一覧
製品 最安値 評価 リンク 4.28 4.75 4.3 3.6 5
目詰まりの対処法
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ダイヤモンド砥石を使っていると、刃物を削った粉が砥石に詰まってしまうことがあります。これが目詰まりです。軽い目詰まりは洗剤とブラシを使って洗浄することで落とせます。
この方法だけで落ちない場合は、上の画像のような専用の薬剤が販売されています。入り込んだ鉄粉がさびて砥石の面が茶色く変色した状態になったときも、この薬剤で元に戻せます。
なお、以上は基本的に電着タイプを想定したものです。焼結タイプのダイヤモンド砥石については、ドレッシング砥石を使って表面を擦ると新しいダイヤモンドの層が表に出て切れ味が元に戻ります。
まとめ
ダイヤモンド砥石の選び方とおすすめの製品をご紹介しました。ダイヤモンド砥石は、普通の砥石では砥げないような硬い刃も砥げますし、砥ぐスピードも早いので一つ持っておくと何かと重宝します。
特に欠けた刃を修正するときなどには威力を発揮しますから、普段は天然石や人造石の砥石を使っている人も荒砥ぎの際だけでもダイヤモンド砥石を試してみてはいかがでしょうか。