ラチェット機構を内蔵したことで、手動工具でもネジの早回しができるラチェットドライバー。ほとんどがドライバービット差し替え式で、いろいろなネジに対応可能な特徴もあります。
大切なのはドライバービットで、ラチェットドライバー本体はどれを選んでも同じ、なんて思っていませんか。実は持ち手の形状によって用途が変わってきますし、機能面でも各メーカーは力を入れています。
1つ持っておくとネジ締め・緩めに重宝する工具ですので、利便性がより高い製品を選びましょう。持ち手の形状・機能面から、おすすめのアイテムを10個ご紹介します。
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ラチェットドライバーの用途
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ラチェットドライバーはドライバーの一種で、ネジを早く締める・緩める際に用いられます。ドライバー先端部とハンドル部が独立して動くことが特徴です。
ハンドル部には、名前にも入っているラチェットと呼ばれるギア機構を内蔵しています。このラチェットにより先端部の回転方向を制限する仕組みです。
普通のドライバーでネジを回しても手首の捻りには限界がありますから、一度ドライバーを締めやすい位置に戻す必要があります。ラチェットドライバーは一定方向には回しやすく、逆に回すと先端は固定されてハンドルのみ回ります。手を緩める動作がいらないので、ネジの早回しが可能です。
ラチェットドライバーの選び方
ラチェットドライバーは、ほとんどがドライバービット差し替え式です。選ぶ際には付属のドライバービットが多いものほど便利に見えますが、それよりも本体とも言える持ち手部分に注目してください。持ち手がどのような形状なのか、どのような機能を持っているかによって、使い勝手が変わります。
持ち手の形状に合わせて選ぶ
ラチェットドライバーはラチェット機構がメインだから持ち手は握れればいい、と考えるのは早計です。握る形状によって力の入れやすさが違いますし、長さ・薄さで適した使用場所が決まっています。
ラチェットドライバーを使いたい場所によって、持ち手を選んでいきましょう。形を大別すると、ボール・コンパクト・極薄・ハンドルの4タイプです。
手になじみやすいボールタイプ
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ボールタイプの持ち手は、普通のドライバーでもよく見られます。持ってみると手の平で包むようにフィットして、とても使いやすい形状です。重心も後方に置かれているので安定しやすく、ドライバーの先をネジ山にぴったりと当てられるでしょう。
ボールタイプは持ち手を丸くしているので、軸に向けて細くなっています。そのため、精密機器の端子台での作業に向いた形状です。
狭いところにはもってこいのコンパクトタイプ
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コンパクトタイプは、手のひらにすっぽり隠れるような持ち手に、ドライバービットを挿し込んで使用します。普通のドライバーのように長いハンドルではないため、狭い場所でのネジ締めが簡単です。対応するドライバービットも小さめで、回す際の邪魔になりません。
持ち手の小ささこそがコンパクトタイプの魅力ですが、一方で持ちにくさを感じやすくなっています。どこのネジ締めでも使いたい場合は不向きで、ここぞという狭い場所にこそ力を発揮するタイプです。
隙間のネジを締めるのに適した、極薄タイプ
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普通の持ち手はもちろん、コンパクトタイプでも入らない隙間にネジが……なんてケースはありませんか。こんな時にピッタリなのが極薄タイプです。薄い板状の持ち手に小型ドライバービットを取り付けて使用するので、狭い隙間にもスッと入ってネジを回せます。
このタイプの持ち手は、ストレートとベントの2種類があります。ストレートは持ち手が真っ直ぐで、狭い隙間にそのまま使用可能です。ベントは持ち手が角度をつけて折れています。ストレートでぎりぎりの隙間だと入りませんが、段差など障害のある隙間ならむしろぴったりネジに合わせられる形状です。
力を入れやすいハンドルタイプ
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ハンドルタイプの形状は、基本的にコルクスクリューに似たT型です。上から手を被せるように持ち、指の間からドライバー先端部が出るように握ります。他の持ち手よりも安定してまっすぐネジ山へ挿し込めますし、力を入れやすいのが特徴です。
手が大きくてボールタイプだと使いづらい方も、このハンドルタイプなら使いやすいでしょう。ハンドル部の手元側が広がっているため、この部分にビット収納を設けているものも見られます。
普通のドライパーとしても使えるタイプ
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ネジがある程度締まってきて動きが少なくなると、ドライバーを回す手の動きも小さくなります。そうなるとラチェットよりも手回しの方が早いですし、力もかけやすいものです。この際、ラチェットドライバーにラチェット固定機能がついていれば、普通のドライバー感覚で使えます。
固定機能がついているタイプはほとんどが緩めにも対応できるため、価格的には少し高価です。しかし、1本あれば便利なので、予算に余裕があるなら候補に入れてみてください。
便利な機能で選ぶ
ネジの早回しができるラチェットドライバーはそれだけでも便利な工具ですが、さらに機能を持たせている製品も出ています。機能が充実するほど使いやすくなるものですから、選ぶ際には機能面にも注目しましょう。
様々な種類のビットを装着できる機能
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ラチェットドライバーのハンドル側はラチェット機構を内蔵しているので、軸となる金属は中を貫通していません。そのため先端部が固定されている必要もなく、軸交換できるドライバービットが主流です。
ドライバービット機能があればプラス・マイナスの番手はもちろん、三角・四角・トルクスのビットもはめられて、対応するネジを回せます。なお、ビット装着はマグネット式のものが便利です。
本体の中に替えのビットを収納できる機能
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ラチェットドライバーはビット機能付きが便利ですが、ビットは小さなパーツですから適当に置いておくとすぐ無くなってしまいます。ドライバー本体にビットを収納できる機能があれば使い終わったらすぐ片付けられますし、交換時にも手間取りません。
この収納機能の有無・収納性は、持ち手の大きさに左右されます。通常の持ち手やボールタイプなら比較的多く収納できますが、T型ハンドルなら1個分程度でしょう。コンパクトタイプや極薄タイプではそもそも機能自体ない製品がほとんどです。
曲げながら、ネジを締められる機能
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ラチェットハンドルに対応している曲げられるパーツとしては、フレキシブルシャフト・スネークビットがあります。これらのビットを使用すれば、手の届きにくい高所や狭い場所のネジ締めも簡単です。
ビットごとに曲げられる角度に差があり、長さによっても使い勝手が異なります。曲げられる機能が欲しいなら、パーツの詳細にも留意してください。
ラチェットドライバーの人気おすすめランキング
ここからはラチェットドライバーの中でも人気の製品を、ランキング形式でご紹介します。持ち手はどんな形状か、どんな機能があるかから、人気の理由を見ていきましょう。
1位 アネックス オフセットラチェットドライバー No.429
重量:112 g
タイプ:極薄(ベント)
ビット付属:あり
機能:マグネット装着
機能充実で痒い所に手が届くラチェットドライバー
ドライバー専門メーカーである兼古製作所のブランド、アネックスの製品です。極薄タイプなので、普通のドライバーだと垂直に挿し込めない場所でも簡単にネジを回せます。上部には締め・緩めの切り替えレバーがついていて簡単に操作できるでしょう。
持ち手途中から角度を付けたベントアップは、ストレート型だと挿し込めない障害の多い隙間に使いやすい形状です。また、ネジ山に挿し込んだ時に先端を押し付けやすく、ドライバーの浮き上がり(カムアウト)を防いでネジなめを起こしにくくしています。力の入れにくい場所のネジも回しやすいように考えられたフォルムです。
ビットの取り付けはマグネット式、付属ビットはプラス2本・マイナス1本・六角5本です。このビットには軸に溝が刻まれていて、外すときに指の滑りを防いでくれます。1本で十分な働きをしてくれるので、狭い場所のネジ締めを軽々こなしたいなら持っておくことをおすすめします。
2位 KTC ラチェットスタビドライバー DBRS06
重量:181 g
タイプ:コンパクト(スタビー)
ビット付属:あり
機能:マグネット機能、ビット収納
小さいのに機能が充実していて1つあると便利
コンパクトサイズのラチェットドライバーで、手に馴染む大きさです。ボール状のハンドル後部を握り込むのはもちろん、ペンのように持って回すこともできます。普通の場所のネジに使うのはもちろん、自動車内のエンジンルーム内など幅があまりないところにも使用可能です。
付属ビットは家庭で使うことの多いプラスの1・2番と、六角3~6mmの計6種です。小さい持ち手ながら収納がグリップエンドについているので、使わないビットはしまっておきましょう。
締め・緩め・固定に対応したラチェットにより利便性は十分です。場所をとらないサイズなので、工具箱やグローブボックスに置
3位 ベッセル ボールラチェットドライバー 2200 +2×100
重量:127 g
タイプ:ボール
ビット付属:なし(替え軸タイプ)
機能:マグネット機能
電子機器のメンテナンス用に揃えておきたいドライバー
ボールグリップのドライバーで知られているベッセル製の製品です。ラチェットドライバーとしてはマイナーな替え軸式を採用していて、専用の替え軸と付け替えていくことで、さまざまな番手のプラス・マイナスのネジを回していけます。
ボールタイプの特徴ともいえる回しやすさと軸の細さにより、精密なネジ回しが行えるでしょう。軸長10cm・軸径6mmで、奥まったところにあるネジにも先端が届きます。軸カバーはショート事故を防止する仕様になっていて、端子台や電気工事などの作業にピッタリです。
ラチェットの回転方向は締め・緩め切り替えはもちろん、固定にも対応しています。1本持っていればプラスネジへのオールラウンドな活躍が期待できるでしょう。
いておくと重宝します。
4位 KTC ラチェットドライバ DBR16
重量:340 g
タイプ:通常持ち手
ビット付属:あり
機能:ビット収納
国産メーカーだから安心して使い続けられる
京都に本社を置く国産工具メーカーKTC製で、高い品質を持っています。ラチェット機構は締め・緩めのどちらにも対応できて、もちろん固定して普通のドライバーとしても使えます。ビット類の付属は8本ですが、サイズ違いの両頭ビットなので実質16種です。ビット収納部はグリップエンドに6本と、軸の反対側にあります。
KTC製である長所は品質の他に、補給部品がしっかり用意されている点です。収納部のキャップや各ビットを破損・紛失しても、補給部品を購入すれば継続して使えます。見た目は普通のドライバーでありながら収納性がかなり高く、ラチェットドライバーとしての使い心地もよい1本です。
5位 TONE ラチェットドライバーセット RDS20
重量:971 g
タイプ:ストレート・ピストル型可変 / スタビー
ビット付属:あり
機能:マグネット装着、ビット収納
充実の持ち手2種・付属ビットで作業の幅が広がる
工具メーカーとして名高いTONEの、ラチェットドライバー2本と豊富な付属品が魅力的な製品です。大きい方のラチェットドライバーはTONEの製品番号RDと同じもので、持ち手をストレート・ピストルの2タイプに変えられます。小さいラチェットスタビードライバーはRSDの品で、力を入れやすいのにコンパクトな形状です。
ビット類はプラス・マイナス・ヘキサゴンが計19個と、ビットアダプター1個がついています。価格はやや高めですが、これだけの付属品がセットになっていることを考えればコスパは良い方でしょう。1つあれば十分使えるラチェットドライバーセットが欲しい方にピッタリです。
6位 SK11 極薄ラチェットドライバー SRD-210
重量:61 g
タイプ:極薄(ストレート)
ビット付属:あり
機能:なし
薄さ・長さが十分だから隙間のネジ回しがやりやすい
名前の通り、薄さが最大の特徴となっているラチェットドライバーです。12mmビットを装着しても先端の厚さは13mmにしかならず、14cmの長さで隙間にあるネジにもスルッと挿し込んで回せます。幅もわずか14.3mmなので、部品の突出やコードが絡みあっている隙間にも使いやすくなっています。
付属のビットは7本と十分な数があり、六角対辺6.35mmの片頭ビットであれば市販品でも使用可能です。ただ、ビット取り付けはマグネット式ではないためか、ビットの固定がイマイチという評価も見られます。
7位 ベッセル トルクス板ラチェットドライバー TX-11
重量:160 g
タイプ:極薄(ストレート)
ビット付属:あり
機能:ビットはボールロック式
精密機器のトルクスネジへの対処におすすめ
ビット取り付け部後方に飛び出た箇所にはスピードリングを取り付けられるようになっていて、手回しでも素早くネジを動かせます。付属品はプラス・マイナス1本ずつと、トルクスネジ対応のビットが8本です。精密機器のいじり防止に使われるトルクスを素早く外せてメンテナンスが捗ります。
持ち手は薄型ですがスピードリング用の部品が出ているため、先端は28.6mmとやや厚めです。狭い隙間に入れて使うより、機器外装のトルクスを素早く外したい時に使いましょう。
8位 PB SWISS TOOL インサイダー3 ビット差替ラチェットドライバー 6510R-30SPEZ
重量:204 g
タイプ:通常持ち手
ビット付属:あり
機能:マグネット装着、ビット収納
高品質で付属ビットも充実のラチェットドライバー
スイスの工具メーカーPB SWISS TOOL製のラチェットドライバーです。ラチェットの回転方向切り替えと固定ができて、締め・緩めだけでなく普通のドライバーとしても使えます。本体内に収納できるビットは10本で、差替用ビットもしっかりついてきます。
難点は、価格が高めなことです。ラチェットドライバーがどんなものか試したいという方より、この一本を長く使いたい方に向いています。
9位 ベッセル 板ラチェットドライバー ペタラチェ TD-79
重量:98 g
タイプ::極薄(ベント)
ビット付属:あり
機能:マグネット装着、ビット収納
障害のある隙間にも入って先端をはめられる
10位のドライバーのベントタイプで、ビット取り付け部付近に角度が付いています。ストレートだと握る場所がない隙間でも、この角度により手のスペースを確保できるでしょう。ただ、真っ直ぐの隙間には使いづらいので、ストレートとの使い分けがおすすめです。
10位 ベッセル 板ラチェットドライバー ペタラチェ TD-74
重量:59 g
タイプ:極薄(ストレート)
ビット付属:あり
機能:マグネット装着、ビット収納
厚さ20mm以下で狭い隙間でも動かしやすい
本体の厚さは10cm、ビット込みでも18mmの薄さが魅力です。ラチェット切替レバーも付いていて、締め・緩めどちらにも使えます。ただ、薄いために収納部から付属ビットが落ちる懸念があります。
アネックス オフセットラチェット…… 879円 KTC ラチェットスタビドライバー D…… 1,854円 ベッセル ボールラチェットドライ…… 829円 KTC ラチェットドライバ DBR16 2,829円 TONE ラチェットドライバーセット …… 6,366円 SK11 極薄ラチェットドライバー SR…… 711円 ベッセル トルクス板ラチェットド…… 839円 PB SWISS TOOL インサイダー3 ビッ…… 8,419円 ベッセル 板ラチェットドライバー …… 880円 ベッセル 板ラチェットドライバー …… 608円おすすめの商品一覧
製品 最安値 評価 リンク 4.5 3.85 4.5 3.98 5 4.51 4.45 4.52 4.07 4.35
まとめ
ラチェットドライバーはネジを早回しできて、作業効率をぐんと高めてくれる工具です。持ち手の形状によって適した作業場所が変わり、機能面は使い勝手に影響してきます。選び方のポイントはこの持ち手・機能の2点です。
ほとんどのラチェットドライバーはビット取り替え式を採用しています。このビットは落としやすい・失くしやすいものですから、本体に収納できるスペースが用意されていると便利です。また、なるべくならマグネット装着タイプのものを選びましょう。