この記事でご紹介するのは、卓上丸ノコです。切断する材料を置くベースの上にアームが設置され、そこに丸ノコが固定された電動工具です。ハンドルをつかんで丸ノコを振り下ろすような形で使用します。
やや大掛かりな印象の電動工具ですが、素人にも扱いやすくDIY用の機種も販売されています。プロの方の場合は、角度切断や傾斜切断、複合切断ができるので、普通の丸ノコでは面倒な作業を簡単にでき、同じ切り方の部材を複数簡単に作れることが魅力となります。
設置するスペースが必要になるので、誰にでも気軽に購入できるものではありませんが、素人にもプロにも便利な電動工具です。この記事では、選び方とオススメの製品をご紹介していますので、参考にしてください。
目次この記事でおすすめする商品
卓上丸ノコと卓上スライド丸ノコの違い
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最初に、類似した電動工具である卓上丸ノコと卓上スライド丸ノコの違いを簡単にご説明しておきます。卓上丸ノコは、丸ノコを振り下ろすような形で使用します。ガイドを使わなくても簡単に直角が切り出せ、切断角度を任意に設定することもできる便利な工具です
しかし、卓上丸ノコには、その構造上、切断できる材料の大きさが刃の大きさに依存するという欠点があります。大きな刃を使える卓上丸ノコでれば、それなりに大きな材料も切れますが、180mm前後くらいまでが限界です。
この欠点を解消したのが、卓上スライド丸ノコです(単にスライド丸ノコとも)。卓上スライド丸ノコは、その名の通り、振り下ろした状態から丸ノコをスライドさせることができます。これによって、卓上丸ノコでは切断できないサイズの材料も切断することができます。
卓上丸ノコの選び方
ここからは、具体的な卓上丸ノコの選び方についてご説明します。製品選びの際の参考にしてください。
電源で選ぶ
最初は、電源方式による違いです。電源方式にはAC電源式と充電式があります。
パワーが必要ならAC電源式
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まず、AC電源式は安定して大きなパワーを発揮できる点が魅力です。バッテリーの性能が上がって充電式にもパワフルな製品が増えましたが、切断能力だけを単純に比較するとAC電源式に軍配が上がります。
また、バッテリー切れの心配がないので、作業量が多い人にもAC電源式がオススメです。
電源の確保がない場所では充電式(コードレス)
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充電式については、有線で電源を取ることが出来ない場合でも使えるのが大きなメリットであることは言うまでもありません。
また、コードを繋ぐ必要が無く配線のことを考える必要がありませんから、作業現場に工具を持ち込んで使用する大工のような職人さんの場合には、どんな現場でも設置してすぐに使えるのも魅力です。
また、コードが邪魔になることなく、足を引っ掛けたりすることがありませんし、作業後の木屑の処理などもコードがない方が楽に行えます。AC電源式と充電式にはそれぞれにメリットがありますから、自身のニーズに合わせて選んでください。
ノコ刃の外径による切断能力で選ぶ
先ほども書いたように、卓上丸ノコの切断能力は、基本的にノコ刃の大きさ(外径)に依存します。この点をもう少し詳しく見ていきます。
切り込み幅を確認
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一般的に卓上丸ノコのスペックには、切り込み幅と切り込み深さが表示されています。単に切断できる材料の「幅×高さ」で表示されている場合も多いのですが、これは切断することができる材料の幅と厚さを表しています。
詳しくは後で記載しますが、卓上丸ノコの場合、角度切断や傾斜切断も可能で、これらの切り方をする場合は、切断できる幅や高さが変わってきます。どのくらいの幅・厚さの材料を切りたいのか、検討したうえで製品を選んでください。
材料の厚み以上の最大切り込み深さを
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切り込み深さは、切れる材料の厚さを意味します。基本的には、ノコ刃の大きさが大きいほど厚い材料まで切れることになりますが、ノコ刃の大きさが同じなら同じ厚さが切れるとは限りません。スペックを確認した上で購入してください。
なお、当て木をすることで切断することができる厚みを多少増やすこともできます。製品によっては、当て木をした際の切り込み深さを別に表示してくれているので、これも参考にしてください。この場合、切断できる幅は若干小さくなります。
回転角度で選ぶ
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卓上丸ノコを使うことのメリットの一つが、角度切断が簡単にできることです。丸ノコを付けたアームが固定されているベースが回転できるようになっていて、切断角度が調節できます。
左右45度までの範囲で調節できる製品が多いのですが、もっと大きな角度で調節できるものもありますから、45度以上の角度で切りたい人は、そういったタイプの製品を選んでください。
傾斜角度で選ぶ
卓上丸ノコは、丸ノコ自体を傾けた状態で切断を行う傾斜切断をすることも可能です。傾斜切断と角度切断と組み合わせて、より複雑な切断(複合切断)も行えます。傾斜角度は多くの製品が45度までですが、それ以上の製品も一部あります。
両傾斜か左傾斜か
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卓上丸ノコの傾斜に関しては、左傾斜のみの機種と、左右のどちらにも傾斜する機種があります。
左傾斜のみの機種でも材料の方を反転させることで右傾斜と同じ切断角度にできます。したがって、左傾斜のみでも問題ないともいえますが、反転させる手間を省いて作業効率を上げたい人は、両方に傾斜するタイプを選んでください。
便利な機能で選ぶ
卓上丸ノコの中には、以下に挙げたような機能を備えているものもあります。製品選びの際には、こういった点にも着目してください。
位置あわせが簡単なレーザー機能
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正確な切断を可能にする機能です。本体からレーザーが照射されて、赤い線となって見えます。この赤い線を、墨線(切断する位置に書いた目安となる線のこと)に合わせると、正確な切断が簡単にできます。
便利な機能ですが、搭載機種は価格も上がります。必須のものでなく、オプション的な扱いで有り無しを選べる場合もありますから、必要に応じて選んでください。
早く回転が止まって安全なブレーキ機能
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卓上丸ノコに限らず、丸ノコというのはスイッチを離しただけでは、しばらくは惰性で回転し続けます。この状態が危険なので、スイッチを離すと刃が止まるようしたものがブレーキ機能です。
卓上丸ノコに限らず、電動工具はちょっとしたミスが大きなケガに繋がる可能性があるものですから、このブレーキ機能のような安全対策については、できるだけ装備された機種を選ぶようにした方がいいでしょう。
回転を維持する電子制御機能
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これも卓上丸ノコに限らず、丸ノコに装備された機能です。丸ノコのような切断工具は、負荷がかかっていない間は早く回転し、負荷が強くなると回転数が落ちます。この回転数の低下を電子制御で抑える機能です。
電子丸ノコと呼ばれる電子制御機能付きの丸ノコは、一定の回転数で切断するので、作業効率が落ちにくく、切断面が美しくなります。また、負荷がかかったときの騒音も抑えられます。
卓上丸ノコのおすすめ人気ランキング10選
ここからは、卓上丸ノコのおすすめ商品をご紹介していきます。プロ用・DIY用ともに様々な製品がありますから、自分に合ったものがないか、見てみてください。
なお、一般的に丸ノコというと主に木材の切断用で、鉄材などを切断する電動工具のことはチップソーカッターと呼んで区別するのですが、このランキングではチップソーカッターの卓上タイプも含めてご紹介しています。
1位 HiKOKI 255mm卓上丸のこ FC10FA
切り込み幅:144mm(高さ59mmまで)、101mm(高さ89mmまで)
切り込み深さ:89mm(幅101mmまで)、59mm(幅144mmまで)
傾斜:0~左45度
回転角度:0~左右52度
機能:ブレーキ付き
255mmのノコ刃が使える卓上丸のこ
HiKOKIのDIY用丸のこ、大型のタイプです。255mmまでの刃が取り付けられるので、高い切断能力があります。耐久性の点などはプロ用には及ばない可能性はありますが、プロ用にも匹敵する性能です。
機能的には3位でご紹介した製品に近いのですが、角度ストッパが15度、22.5度、31.6度、45度で働くようになっていて、角度調節がより簡単にできるようになっています(3位の製品は22.5度と45度)。
また、グリップがもちやすいソフトグリップで、横グリップになっているので、作業がやりやすい点も3位の製品との違いです。運搬性の点では3位の製品に及びませんが、据え置きで使うなら、こちらの方が使いやすいはずです。プロの方にもおすすめしたい製品です。
2位 EARTH MAN 卓上丸ノコ190mm TM-190A
切り込み幅:85mm
切り込み深さ:45mm
傾斜:0~左45度
回転角度:0~左右45度
機能:ブレーキ付き
軽量コンパクトで、低価格の卓上丸ノコ
EARTH MANというのは高儀というメーカーのブランドで、4位でご紹介した新興製作所と同様に、安価なDIY用の電動工具を多く販売しています。この製品も低価格で、最低限の機能は揃っているので、コスパの良い製品です。
軽量でコンパクトで、運搬や収納に便利。性能的には、4位の製品とほぼ同等ですが、コチラの製品には交換用のカーボンブラシが1組付属し、電源コードが少し長めの2mあります(4位の製品は1.8m)。わずかな差が順位の差になりました。
3位 HiKOKI 216mm卓上丸のこ FC8FC
切り込み幅:115mm
切り込み深さ:60mm
傾斜:0~左45度
回転角度:0~左右52度
機能:ブレーキ付き
HiKOKIのDIY用丸ノコ、コンパクトなタイプ
HiKOKIのDIY用カタログにラインナップされている卓上丸のこ2機種の内、コンパクトなタイプです。重さは7.7kgで、これだけを聞くとあまり軽く感じないかもしれませんが、216mmのノコ刃が付けられるサイズであることを考えれば十分軽量といえます。
傾斜切断は左傾斜のみですが、角度切断は左右52度までと広めです。DIY用の製品としては少し価格は高めですが、アルミベースで、木材を固定するバイス装置も付いているので、切断精度が高くなっています。価格分の価値があるといえる製品です。
4位 新興製作所 卓上丸ノコ STC-190
切り込み幅:85mm
切り込み深さ:45mm
傾斜:0~左45度
回転角度:0~左右45度
機能:ブレーキ付き
低価格で人気の新興製作所の卓上丸ノコ
DIY向けに手ごろな価格の電動工具を数多く販売している新興製作所の卓上丸ノコです。使用可能なノコ刃は185~190mmなので、切断能力は、それ程高くはありません。
スペック上は2×4材がギリギリ切れないくらいですが、口コミを見ると一発で切れるとしている人が多いようです。傾斜切断・角度切断が可能で、最低限必要な性能は備えているので、コスパ優先で製品を選びたい人にはオススメです。
5位 新興製作所 チップソー切断機 MTC-190
切り込み幅:85mm(高さ45mmまで)、55mm(高さ55mmまで)
切り込み深さ:45mm(幅85mmまで)、55mm(幅55mmまで)
傾斜:0~左45度
回転角度:0~左右45度
低価格で購入できるチップソー切断機
木材の他に、直径20mmの丸棒、直径60mmのパイプなども切断することができるチップソー切断機です。一般的な丸ノコは基本的に木材専用で、アルミなどの柔らかい金属を切断することはできる機種もありますが、鉄材などの切断はできません。
丸ノコに金属加工用の替刃を取り付ければ、一応切断すること自体は出来ますが、丸ノコで金属を切断すると発生した火花等によって樹脂部品が溶けたりして故障に繋がります。金属を切断する必要がある方には、安価なこの製品はかなり魅力的です。
6位 evolution 万能切断卓上丸鋸 FURY3-B
切り込み幅:120mm
切り込み深さ:50mm
傾斜:0~左45度
回転角度:0~左右45度
イギリスの電動工具メーカーevolutionの製品
evolutionはイギリスのメーカーのブランドで、日本での知名度はまだ高くないかもしれませんが、本国イギリスの他、ヨーロッパ、北米などで製品を販売しています。8位でご紹介したものと同様に、鉄材などもカットできる製品です。
比較的安価に購入できるチップソーカッターとしておすすめですが、注意点として、外径210mm×内径25.4mmという他の国内メーカーは採用していない規格のノコ刃を使っているため、基本的に同社製の替刃しか使えません。
7位 マキタ 卓上マルノコ LS1510
切り込み幅:185mm、当て木を使用した場合80mm
切り込み深さ:122mm、当て木を使用した場合150mm
回転角度:0~左右57度
機能:ブレーキ付き
ノコ刃外形380mmまで使用可能な大型卓上マルノコ
大型の380mmのノコ刃が取り付けられる卓上マルノコです。大きな刃が使えるので、切り込み幅、切り込み高さともに卓上マルノコとしては最大クラスです。大き目の素材をカットする機会が多い方にはおすすめですが、持ち運んだりするのには向きません。
ヘッド部が大きく重量もあるためか、傾斜切断は不可能です。出来ることと出来ないことがはっきりしている製品なので、自分の用途に合っているかしっかり確認した上で購入を検討してください。
8位 evolution 210mm 2WAYマルノコ FURY6
切り込み幅:115mm
切り込み深さ:55mm
傾斜:0~左45度
回転角度:0~左右45度
機能:木工専用テーブルソーとしても使用可能
テーブルソーとしても使える2WAYマルノコ
丸ノコを固定してテーブルソーとしても使える珍しい製品です。テーブルソーモードでは木材しか切断することができませんが、一般的な卓上マルノコのように切断幅が短く制限されることがありません。テーブルソーも欲しいけど2台は置けないという人にオススメです。
なお、製品名はマルノコですが、機能的には鉄材の切断もできるチップソーに属するものです。ただし、木材以外を切断する場合は、卓上マルノコモードで行ってください。なお、替刃についての注意点を6位の製品の解説に書きましたので、そちらもご参照ください。
9位 マキタ 卓上マルノコ LS0840F
切り込み幅:122mm
切り込み深さ:61mm
傾斜:0~左45度
回転角度:0~左右52度
機能:ブレーキ付き
マキタのプロ用卓上マルノコでは低価格機
DIY用のものと比べると高価なのですが、マキタのプロ用卓上マルノコの中では低価格な製品です。ベースが樹脂製で、アルミベースの機種に比べると精度が落ちるかもしれませんが、コスト面は優秀な製品です。
基本性能が同じLS0840FLというモデルも販売されていて、こちらはレーザー付です。1万5千円くらいの価格差があるので、必要に応じて選んでください。なお、この製品はチップソーは付属しませんが、LS0840FLには付属します。
10位 HiKOKI 190mm卓上丸のこ C7FC
切り込み幅:105mm、20mmの当て木を使用した場合70mm
切り込み深さ:50mm、20mmの当て木を使用した場合61mm
傾斜:0~左右45度(べベルプレート使用時0~左右46度)
回転角度:0~左45度、0~右52度
機能:ブレーキ付き
持ち運びが便利な卓上丸ノコ
電動工具で定評のあるHiKOKI(旧 日立工機)の製品で、アルミダイカストのベースを採用した本格的なプロ仕様のモデルです。電子制御によるソフトスタートや、LEDライトが付属するなど、使いやすさへの配慮も十分です。
また、この製品には持ち運びに便利な運搬用ハンドルが付いています。ヘッド部を下降させて固定ピンを差し込むとヘッド部がロックされます。重さも7.9kgと従来機よりも軽量になっています。様々な現場に移動して使うプロの方におすすめしたい製品です。
HiKOKI 255mm卓上丸のこ FC10FA 29,027円 EARTH MAN 卓上丸ノコ190mm TM-190A 8,499円 HiKOKI 216mm卓上丸のこ FC8FC 22,265円 新興製作所 卓上丸ノコ STC-190 7,402円 新興製作所 チップソー切断機 MTC-…… 11,796円 evolution 万能切断卓上丸鋸 FURY3-B 10,285円 マキタ 卓上マルノコ LS1510 77,976円 evolution 210mm 2WAYマルノコ FURY6 27,000円 マキタ 卓上マルノコ LS0840F 33,271円 HiKOKI 190mm卓上丸のこ C7FC 42,533円おすすめの商品一覧
製品 最安値 評価 リンク 4.77 3.15 4.43 4.06 4.2 3.57 4.12 4.73 3.25
まとめ
卓上丸ノコの選び方とおすすめの製品をご紹介しました。卓上丸ノコは、普通の丸ノコよりも簡単に垂直に切れ、角度切断や傾斜切断もできる優れものです。手に入れると作業効率がグッと上がりますから、この機会に購入を検討してみてください。