物を計測する場合に地面に対して水平や垂直・45度などを確認する器具のことを水平器といい、水準器やレベルとも呼ばれています。タジマやエビスなど様々なメーカーから商品が発売されているため、どのような水平器を購入すれば良いのか迷われている方も多いのではないでしょうか。
今回は、精密水平器ではなく定番の水平器について、水平器の選び方や選ぶ際のポイント、使用や保管についての注意点や、気泡管水平器が狂ったときの対処法などをご紹介いたします。記事の後半では水平器のおすすめランキングを紹介しますので、是非参考にしてくださいね。
目次この記事でおすすめする商品
水平器の感度と精度とは
水平器の感度は、JIS規格で決められており、一種(0.02)・二種(0.05)・三種(0.1)と定められています。気泡を1メモリ移動させるのに必要な傾斜角の事をいい、感度表示は底辺1メートルに対する高さや角度が基準になっています。
水平器の精度は、水平器を左右に振り替えた時の気泡位置の誤差の事のことを言います。気泡管の気泡を1メモリ動かすのに必要な傾斜で、底辺 1m に対する高さ(単位µm)又は角度(単位秒)で表します。こちらも感度同様にJIS規格で規定されています。
水平器の選び方
水平器は物の水平や垂直などを測定する際の必須アイテムです。しかし数多くのメーカーや種類があるなかで「どれにすればいいのかわからない!」と言う方は沢山います。選ぶ際にはどのような点を重視し、どのような事に注意するのかをご紹介いたします。
水平器のタイプで選ぶ
同じ水平出しをする工具でも、様々な種類の水平器があり、タイプは大きく分けて4つに分類されます。ここではタイプ別に製品の特徴や、どのような作業に向いているのかなどをご紹介します。
ポピュラーで種類豊富な気泡管水平器
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アクリル管やガラス管の中に入った気泡の位置によって、傾きを確認することができます。水平器の中でも一般的に普及しているタイプで、この記事でも主に気泡菅水平器の選び方をご紹介します。
各社様々な製品を出しており、種類も豊富にあります。また、長さもポケットに入る大きさの物から2mを超す大きさの物まであるので、用途に応じて使いやすい大きさを選ぶといいでしょう。
他のタイプの水平器と比較すると安価であることが特徴です。DIY初心者の方でも比較的扱いやすく購入しやすい製品だといえます。安価なのが特徴ですが、あまりに安いものを購入すると精度が落ちる場合があるので注意が必要です。
正確な数字がわかるデジタル水平器
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気泡管の中の気泡の傾きをデジタル液晶画面で表示してくれる水平器です。
この製品の良い所は、気泡の傾きを正確な数字で表してくれるので数字がすぐにわかり、作業効率が上がります。
デジタル水平器の弱点は、ポピュラーな水平器と比較すると値段も高く、電池も必ず必要になります。また防水では無いため外で作業をする場合利用できなくなるのも難点です。
屋外での作業が多い建築現場ではあまり使われていないですが、室内での作業で正確に数値を測定したい人に向いています。
プロ仕様のレーザー水平器
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主に電気工事や建築現場で使用されるレーザ水平器。遠くの物でも墨出し器やレーザーポイントによって測定することができるので、配管・配線工事や梁を建てる作業などで使われています。
最近では、家庭用DIY工具として小型のレーザー水平器も販売されています。
業務用のレーザー水平器はとても高価な商品ですが、家庭用小型レーザー水平器は5000円前後で販売されている商品もあり、自宅でウッドデッキや大型の物を制作する場合に重宝します。
360度の傾き対応の丸型水平器
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一般的な水平器は物の水平や垂直を測定するための工具ですが、丸形水平器は水平面の全方向の傾斜を測定する工具になります。
コンパクトな作りの物が多く、何かに取り付けて傾き方向を確認するのに非常に便利な工具です。例えばターンテーブルを自宅で制作する場合に真ん中に置くと、どの方向に傾いているのかがわかりやすく修正しやすくなります。
複数個入りで販売されていることが多く、広範囲で測定が必要な場合にも役に立ちます。
水平器の長さで選ぶ
水平器にはポケットに入るほどの小さいものから、2mを超す長いものまで種類は多岐にわたります。水平器本体の長さですが、長ければ長いほど長い範囲の水平を図る事が出来ます。作業に応じた長さの物を選ぶようにしましょう。
持ち運びにはポケットにも入る小型サイズ
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本体のサイズが10cm~15cmの物が多い小型サイズの水平器です。
この製品の特徴は持ち運びが便利な利点の他に、一般的に普及している30cm~60cmの水平器では入らない狭い場所の水平を測定する場合に役に立ちます。
磁石がついている製品が多く、鉄製の物であればしっかりと固定させて計測することも可能です。また、配管水平測定用に溝が付いている商品もあります。
一般的な作業には30㎝程度がおすすめ
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長ければ長いほど長い範囲の水平を図れるというメリットがある一方で、長すぎると作業がしにくいデメリットもあります。
ホームセンターなどに行くと30cm程度の長さの物が一番数も種類も豊富にあり選択肢が広がります。
ご家庭でのDIYや一般的な作業の場合は30cm程度の長さがあれば十分な作業が可能ですので、30cm程度の長さの物をおすすめします。
追加の機能で選ぶ
水平器の機能には、気泡の角度を調節できたり用途に応じて様々な機能がついている物があります。
測れる角度の数が多いと便利
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水平器には写真のように、ひとつの機器に水平・垂直・45℃が測定できるようになっている物もあります。
使う場面に応じて、工具を変更しなくてもいいので非常に便利です。購入される場合は、このタイプの工具を購入することをおすすめします。
詳しい勾配を知るなら標線数が多いものを
気泡管には標線と呼ばれる線がついており、標線を目印に気泡を調整します。一般的に普及している水平器の標線は2本です。二本の間に気泡がある事で水平が取れている事を示します。その他に4本~6本の標線がついている物もあります。
標線が4本線の物は、内側と外側の標線のピッチが2mmとなっており、一般的にはある程度勾配をつけたい時に利用します。5本線の物は一番広い所に気泡がある場合水平が取れている事を示します。意図的に勾配を付ける際の目安として他の標線に気泡を合わせて利用します。6本線の物は気泡が内側から2本目の所に達したときは一分勾配、3本目の所に達したときは2分勾配を示します。
配管などの作業をする場合は、標線が4本以上あるものを利用することをおすすめします。
鉄骨などに張り付くマグネット付き
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鉄骨の建物などで高所作業をする時に水平器を利用する場合、心配なのが水平器の落下です。マグネットがついている商品を利用すれば、水平器を支える必要がなく、しっかりと固定されるので作業がスムーズになります。
角度に応じて商品を取り付け出来るので、水平だけでなく垂直や45℃などを図る際も非常に便利です。
円筒形の物を乗せて測れるV溝付き
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配管など円形の物の勾配を測定する場合、一般的な水平器では正しく置くことが難しく正確に測定することができません。そんな時に役に立つのが「V溝付き」の製品です。溝に合わせて水平器を置くことで正確に勾配を測定することが可能になります。
水平器のおすすめ人気ランキング10選
ここからは、一般的な気泡管水平器をランキング形式でご紹介します。買い替えを検討されている方や、新規に購入を考えている方は商品のポイントも載せてますので是非参考にしてみてください。
1位 シンワ測定 ブルーレベル マグネット付 300mm
重量:360g
素材:プラスチック
機能:マグネット付き、V溝付き
気泡管:水平/垂直/45度・標線数6本
精度:±2.5mm/m=+-0.1432°以内
見やすい大型気泡管!材料の事も考えて作られた安心設計のブルーレベル
現場で働く人にはお馴染みのシンワ測定。そのシンワ測定から出ているブルーレベルが堂々の第一位です。こちらの製品は一番短いもので30㎝から一番長いもので180㎝と長さが豊富にあるので、用途に応じて長さを変更してご利用いただく事が出来ます。
製品の両側に大型サイドキャップがついているのが特徴で、本体だけではなく測定する材料も保護してくれるので安心して作業することができます。
標線も6本あり傾斜を変えて測定することが可能で、気泡管も大型気泡管を採用しているのでとても見やすい設計になっています。また、製品の両端にカラビナ等を取り付ける穴が開いているので30㎝程度サイズであれば作業袋にいれておいても取り出しやすく、落下防止にもなります。現場の人だけではなくご家庭でお使いいただくのにも一番おすすめできる商品です。
2位 STS デジタル水平器 ODL400M
重量:280g
素材:アルミ合金
機能:マグネット付き、V溝付き
気泡管:水平/垂直・標線数4本
精度:±1.00mm/m=±0.0573°以内
様々な場面でマルチに活躍!精度の高いデジタル水平器
液晶部分がバックライト付きなので暗所作業でもデジタル部分の文字を見る事が出来、本体を逆さにしてもデジタル表示が反転するようになっているので本体の向きを気にせずに作業が出来ます。
本体の両面に凹溝がついているので配管の上に置いても安定し、マグネットもついているので鉄骨工事でもしっかり固定することが出来、様々な現場でマルチにお使いいただく事が可能です。
任意の角度でデジタル表示部のゼロセットが可能で、任意の数値で固定することもできます。精度も非常に高いと定評があるので、現場で作業をする人に特におすすめしたい商品です。
3位 タジマ マグネット付 ワイドスコープレベル 380mm
重量:249g
素材:アルミ
機能:マグネット付き、V溝付、逆Y字型フレーム
気泡管:水平/垂直・標線数4本
精度:±1.25mm/1m=0.072°以内
現場で大活躍のマグネット付ワイドスコープレベル
この製品の良い所は、水平器の一番破損しやすい部分でもある気泡管の頑丈さです。2.5㎜厚の円形型アクリル樹脂を加工して作られているので液晶漏れや割れが発生しにくく、気泡も見やすい構造になっています。
底辺に強力なマグネットがついているので、鉄骨工事をする場合にしっかり固定することができます。また、底辺がV溝になっているので配管工事の際にも安定して本体を立てる事が可能です。
タジマのワイドスコープは30cm~60cmまであり、底辺部にスケールもついており、用途に応じて使い分けもでき非常に便利です。
4位 BURADACO 多機能 レベルレーザー 水平器
重量:181 g
気泡管:水平/垂直/45度・標線数4本
多機能で使えるレベルレーザー水平器
同様の商品が沢山あるなか、この商品は付属品がしっかりと揃っており類似品のなかでも抜群の安さを誇っています。
口コミ商品レビューの評価も高く、商品の使い勝手もいいとの事でレーザー水平器の中では人気の商品です。
高い精度を求める人には向きませんが、ご家庭でDIYを考えている方には持ち運びも便利な為おすすめです。
5位 ADA Instruments 加速度センサー搭載デジタル水平器
重量:210g
素材:アルミ
機能:マグネット付き、防水防塵
気泡管:なし
精度:±0.2°
360度計測可能!頑丈ボディの防水防塵デジタル水平器
本体の底面に強力なマグネットがついており、本体を逆さにするとそれに合わせてデジタルが反転してくれる使用の為、数字の読み間違いを防ぐことができます。
360度計測が可能なので、シーンに応じて様々な使い方ができ便利です。どのような角度でも基準点を合わすことができ、基準点からの測定が可能です。
また防塵防水にも優れており、本体もアルミ製の肉厚ボディになっているので衝撃に強く作られています。その為室外作業が多い方や過酷な環境での作業が多い方など、あらゆる現場に適した水平器になっています。
6位 Woputne 多機能 レベルレーザー 水平器
重量:290g
素材:アルミ
気泡管:水平/垂直/45度・標線数4本
DIYにおすすめなメジャー付きレベルレーザー水平器
レーザーが縦・横・十字に出るので日曜大工で棚などを作る時や、絵画などを設置する場合にポイントマーカーが出来とても便利です。
本体にメジャーもついているので、別途用意する必要がなくスムーズに作業が出来ます。
価格が安い分耐久性に少し難がある為、使用する場合は高所からの落下に注意しながら利用する必要があります。
7位 ムラテックKDS レーザーマーカーレベル KLM-1P
重量:135g
気泡管:水平/垂直・標線数2本
精度:±0.5mm/m
小さいけど機能は抜群!マグネット付きレーザー水平器
本体の大きさは手のひらに収まる13㎝の大きさですが、レーザー水平器としての機能は十分あります。
三脚に固定して利用することもでき、本体の裏面にマグネットもついているのでご利用方法で用途が大幅に広がります。
ラインが少し太いといった点や標線が2本なので、水平器の精度を求められる方やある程度傾斜をつけて測定したい方にはあまりおすすめできません。
8位 タジマ オプティマレベル 130mm レッド OPT-130R
重量:86.2 g
素材:アルミ
機能:V字溝
気泡管:水平/垂直/45度・標線数6本
配管工事には打って付けの商品!V溝付きコンパクト水平器
工具箱にすっぽりと収まるサイズのコンパクト水平器です。配管工事で測定する場合も、V溝がついているので測定しやすく本体も小さいので狭い場所でも楽に作業することができます。
本体にカラビナ等を取り付ける事が出来る穴が開いているので、ポケットなどからも取り出しやすく、落下の心配もありません。
無難なデザインが多い水平器でもひときわ目を引くおしゃれなデザインで、測定角度も三種類あり機能も充実しているのでご満足いただける商品になっています。
9位 アカツキ製作所 防水型デジタル水平器 DWL-280Pro
重量:370g
機能:マグネット付き、防水型
気泡管:水平/垂直・標線数4本
屋外でも安心な防塵防水機能付き水平器
IP規格67を取得している本製品。防塵防水に優れており、室外作業や土埃が多い場所での作業をする方に向いています。
デジタル表示がLEDの為、暗所でも見やすい構造になっており、測定が終わると音で知らせてくる便利な機能がついています。
水平器としては重さがあり、防塵防水で精度なども良すぎるためか家庭でDIYを楽しむ為だけの利用だとオーバースペックだといった声もあります。そのためどちらかといえば職人向けの水平器といえるでしょう。
10位 エビス(EBISU) トビレベルプロ ブラック ED-TBPB
重量:109 g
素材:アルミ合金
機能:マグネット付き、V溝付
気泡管:水平/垂直/45度・標線数4本
精度:±1.00mm/m=±0.0573°内
高所作業から配管工事にとマルチに使える水平器
この製品は特徴は、V溝がついており気泡管が蓄光タイプなので、配管工事をする場合に暗所でも快適に作業することができます。
大型のシャックルがついているのでカラビナ等に取り付けて、取り出しやすく、高所作業をする場合など落下の心配もなく安全です。強力なマグネットがついているので、鉄骨に張り付ける事も出来ます。
水平器の中では小型になるので広範囲の測定が必要な人や高精度を求めている人には物足りない商品かもしれません。
シンワ測定 ブルーレベル マグネッ…… 738円 STS デジタル水平器 ODL400M 2,987円 タジマ マグネット付 ワイドスコー…… 1,089円 BURADACO 多機能 レベルレーザー …… 1,499円 ADA Instruments 加速度センサー搭…… 4,999円 Woputne 多機能 レベルレーザー 水…… 1,499円 ムラテックKDS レーザーマーカーレ…… 3,747円 タジマ オプティマレベル 130mm レ…… 1,772円 アカツキ製作所 防水型デジタル水…… 8,168円 エビス(EBISU) トビレベルプロ ブ…… 1,545円おすすめの商品一覧
製品 最安値 評価 リンク 4.42 3 3 5 3.6 3.6 4.4 3 4.8
水平器の使用・保管の際の注意
■衝撃をあたえない
落下や物にぶつけるなど大きな衝撃を水平器に与えると、気泡管が割れたり液晶漏れの原因になる事があります。また、気泡位置のゼロ点に狂いが生じたり本体の故障にもつながるので、使用中や保管の際は極力衝撃をあたえないようにしましょう。
■気泡位置を確認する
水平器を利用する前は、平らな所に水平器を置き180°反転させても気泡位置に差がないかを確認してから使用するようにしましょう。気泡位置に差がある場合は作業をする前に気泡位置を調節してから作業します。
■測定面の取り扱い
測定面に傷や汚れがあると、製品の精度が落ち正確に測定することができなくなります。測定をするときは測定するところの埃などを取り払い測定面に傷がつかないようにし、使用後は防錆油等で測定面が錆びないように拭くようにしましょう。
気泡管水平器が狂ったときの対処法
水平器を利用していて、衝撃などで気泡位置がゼロ点からずれてしまうことがあります。その時に水平器には気泡の位置を調整できるタイプのものがありますので、調整の方法を紹介します。
・まず平らで安定している所に水平器を置き、同じ場所で180°反転させ気泡がどちらに傾くのかを確認する(ペンなどでマーキングするとわかりやすいです)
・調整用のねじがついているので、ドライバーで気泡が真ん中に来るように調整します。調整後は同じく180°反転させてもずれが無いかを確認します。製品の左右にねじがついているタイプのものは、右を締めると左に気泡が移動し、左を締めると右に気泡が移動するようになっています。
・調整する際の注意としては、ねじを締めすぎると破損して使えなくなる場合があるので注意が必要です。
まとめ
様々な水平器とその選び方に付いてご紹介してきましたがいかがでしたか。
水平器は目的や使用場所に合わせて適した商品を選ぶことで、正確かつ安全に使用することができます。また、保管にも気を配ることが重要です。この記事を参考に、あなたの作業に合った商品を見つけてくださいね。